てとてと さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
とんでもスケボーBLドラマ。レース競技の外連味と男子の友情良し
ボンズ制作の男子たちのスケボー(ぽい超人)レースアニメ。全12話。
【良い点】
人間離れした外連味たっぷりのスケボーアクションがハイレベル。ヌルヌル動く迫力満点の作画演出は2021冬でも白眉。
リアルのスケボー競技ではなく、非現実的なテニヌならぬヌケボー、リアルでは有り得ない絵面見せてくれた。
この時点で同時期のリアルスポーツアニメたちよりも断然面白い。これぞアニメの醍醐味。
絵面もキャラも濃く、(ニコニコ動画的には)ライブ感で楽しませてくれる話題性があった。
凡才で才能の壁に葛藤するレキ、天才で次第にスケボーの狂気に飲まれていくランガ、ふたりの少年のすれ違いからの友情劇が良かった。
男の子ふたりは中々可愛く、彼らの友情劇は別にBL趣味でなくても好感持てた。
凡人と天才のダブル主人公は王道、近い時期のノイタミナなどの男子スポーツアニメたちよりも巧みに描けていた。
チーム競技ではない、個人競技故に、才能差がより浮き彫りになっていた。この手の作品で個人競技は結構少ない。
ふたりがそれぞれ別の意味で闇に落ちていきつつ、吹っ切れたレキの叫びがランガを狂気から救う。王道ド真ん中だが熱い。
もうひとりの裏の主役、子安武人氏が怪演するアダムがおもしれー男。
エリート政治家として闇が濃く、その闇を変態的な言動とスケボーのヤンデレ愛に変えて暴れまくる。
彼を中心にした大人組のドラマも好みかはともかく、見応えはあった。
サブキャラ含めて個性的で、掛け合いのノリが楽しい。憎まれ口叩きつつ仲良し的な。4話辺りから持ち味が出てきた印象。
特に初見では悪党ぼかったシャドウが根は優しい良き大人なのが和む。
実力者たちが軒並み大人らしい関係性ドラマ見せてくれた。大人たちには過去があり、彼らが過去と向き合うドラマの雰囲気は良い。
豪華声優陣。典型的な変態系子安をはじめ、スレイヤーズ男性声優多し。
【悪い点】
ヌケボーがなんでもアリ過ぎて、レース競技として面白かったかは微妙。
特にアダムの必殺技?ラブハックって、反則というか単なるダイレクトアタックなのでは…
ランガとアダム以外の見せ場があんまり無い。
アダムと秘書タダシのドラマに関しては、BL的に尊いのかも知れないが、流石に自分の守備範囲外。
ドラマの山場がレキとランガの和解で終了、以降のアダム中心のドラマは今一つだった。
大人組の関係は複雑に拗れたまま、アダムは結局救われておらず、最終話も中途半端。
2期やるならば別だけど…
【総合評価】7~6点
男子間のドラマ重視なスポーツ物としては、近い時期の類似コンセプトな諸作品より頭一つ抜けていた。
多分女性向けだけど、男子視聴者から見ても十分面白い。
評価は途中まではとても良いに迫ったけれど、完成度は惜しい「良い」