シボ さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
結局最後は「愛」なんです。
主人公のハチマキや仲間達が宇宙空間で、宇宙船の運行の危険となりうる
宇宙ゴミ(スペースデブリ)を回収することを
仕事として汗を流す姿が描かれて行きます。
2003年とかなり前の作品で、作画などは少々古いなってなりますけど
ストーリーは今なお先の未来で起こりえるテーマ、設定での話であって
十分新鮮に感じました。
序盤は宇宙開発の中でも日陰の職業であるデブリ課にあって
やる気いっぱいで入った新人タナベの成長物語かなって観てました。
全26話もあるので途中、繋ぎのようなグダグダな回もあるものの、
スペースデブリが問題となった事件につながるユーリの話は特に引き込まれました。
大気圏を目前の鬼気迫る描写が凄くて手に汗握っちゃいました。
今よりは宇宙船外へ出る事も普通の日常になっているような時代って
事なんでしょうけど、ひとたびトラブルが起きるとすぐに死が隣り合わせな環境なんだと思い知らされます。
中盤以降は
木星計画とテロの同時進行で一気に緊迫感ある展開に。
自分が一番ハラハラしたのはテロそのものよりも、月面での二人の女性の我をさらけだしてのぶつかり合いでした。
月面でのクレアを背をってのタナベの行動。
死を目前にした極限の状態の演出の凄みに目が離せなかったです。
直後は
え~~タナベどうなっちゃったの~~??ってなりましたけどね。
「愛」を振りかざしてたタナベの遺言書に言葉が続いてなかった事実。
本当の「愛」について考え悩み苦しんだからこそなのかな!?。
地上で頑張る姿が見れて良かった~~。
テロも失敗、というか捨て駒にされちゃったものの
ハキム、生きてましたね。
その独特で少し不思議な雰囲気(声優さんの実力なのかな)で
好きなキャラだったノノちゃん。
ルナリアンであるノノにとっては目に見えない国境線で争う人間そのものが不思議で小さなことに思えるのかも知れませんね。
宇宙にまで出て行って資源を奪い合い続ける不毛さを考えさせられます。
最終話での心が温かくなるような展開は
見届けて本当に幸せな気持ちになりました。
デブリ課の仲間達の粋な計らいが最高です。
宇宙船外での地球を、オーロラを眺めながらのプロポーズ。
こんなしりとり、素敵すぎて何度もリピートなんです。
人のプロポーズでこんなに嬉しい気持ちになるなんて・・
同時に流れる楽曲Hitomi - PLANETESも優しさに溢れてて泣けます。
今まで観てきたキャラ達、忍者や本当に誰だっけ?って
思うくらいの脇キャラまで次々と見せていく。そんな演出に
作り手のこの作品への「愛」を感じました。
ざっくりすぎてまとまらないけど、
大きな宇宙の広がりの中で孤独に生きるのではなくて
一人一人はちっぽけな個人だけど、それぞれが繋がって、繋がって大きな宇宙になる。
きっと愛ってそんな大きなものなのかな?なんて感じました。
澄みきった夜空を見上げつつ
Hitomi - PLANETESをイヤホンで聴きながらの散歩、良いです!
とても素敵な作品でした。