STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえず簡単な感想
原作は既読。
6部の後編ということで、舞台もグリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所を
出たことで、閉鎖環境における緊張感が失われた分、広がりを感じさせるものに。
6部は主人公サイドの主目的が、空条 徐倫が刑務所を出ることから始まり、空条 承太郎の
DISC奪回、エンリコ・プッチ神父の目的阻止と変わっていくため、この舞台を変えていく展開は
理に叶った印象。
またプッチ神父やウンガロのスタンド能力は広範囲を描写することで映えるようなもので
あるため、そういう意味でも刑務所外に舞台を移したのは正解という感じ。
展開的には徐倫たちとプッチ神父の最終決戦といったところで、スタンドがホワイトスネイクの
頃はそれほど強力な印象はなかったが、C-MOON、メイド・イン・ヘブンと進化するにつれ
ラスボスに相応しい強さを身につけていった感じ。
メイド・イン・ヘブンは時間を加速させる能力を持つが、ジョジョ・シリーズにおいて
スタンドという設定が登場してから、3部のDIOのザ・ワールドの時間停止、4部の吉良 吉影の
バイツァ・ダストの時間の巻き戻し、5部のディアボロのキング・クリムゾンは時間を
消し飛ばすと、いずれもラスボスのスタンドは時間に関係した能力を持っているところが
興味深い。
現実には変えることができない「時間」というのものに介入できることは、かなり強力な能力で
あると原作者の荒木 飛呂彦氏は考えているのかな?。
最終的にプッチ神父と決着を付けるのは主人公の徐倫ではなく、
エンポリオ・アルニーニョだったのは意外。
しかし、実際に対峙していたのはエンポリオ一人ではあっても、そこに至るまでは徐倫を
始めとする多くの仲間たちの犠牲があり、彼らの思いを背負っていたエンポリオという点では
精神的には最後に対峙していたのはエンポリオだけではなかったように思える。
終盤ではプッチ神父により宇宙が一巡した世界となる、かなりスケールの大きな展開を
見せるが、この世界はまったく同じではなく、随所随所に変化がある。
ジョジョ・シリーズは本作後も続くが、1部から同じ時間軸になっているのはここまでで、
本作の展開を見るにそうなるのもいたし方なしといった感じ。
逆に言えば、7部からパラレルワールド的展開を見せるために、本作はこういった締めに
したのかも。
6部全体を通して見ると、ストーリーはこれまでで一番凝ったものになったが、初期には
感じられたシンプルなゆえのカタルシスなどはだいぶ失われてしまった感がある。
2023/02/05