ウェスタンガール さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
荒城の月
中世騎士道物語といえばイギリスのアーサー王の物語が有名ではあるが、それと並び称されるのが、カール大帝時代のイベリア半島を舞台とした聖騎士ローランの物語である。
勿論、とるに足りない出来事をさんざんもて囃すのは英雄詩の常道ではあるが、気高く忠義の士として、また、数々のロマンスと奇行を持って、多くの吟遊詩人によって語り継がれてきた英雄であり、後世のファンタジーやSFのプロットとなってきたことはご諸兄がご案内の通り。
そして辺境伯ではないが、ルーク・スカイウォーカーの如く、国破れて山河あり、アンデットが彷徨い守護する最果ての地にパラディンが復活するわけだ。
美しくも悲しき、上々の滑り出しである。
生前何者にも成れなかった転生者…。
とは言え、彼は名実ともに無私無欲を貫き、世俗に塗れることなく清廉潔白な生き方を求めてゆこうとする。
純粋なのだ。
それゆえに、チートすぎる能力が心を取り囲む鎧となり悩むのである。
中々ピュアで痛々しく感じる所も多々あるものの、この世界の有り様が明らかになってゆく展開は心地良く、とても好感の持てる作品であった。