剣道部 さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
だれでも・いまの自分を・より良くできる!
[文量→大盛り・内容→雑談系]
【総括】
女子高生×初心者×( )=標準以上に面白いアニメ
という公式に、ちゃんと当てはまるアニメ(笑)
( )内は、今回はDIY。
本作は、アニオリということで、比較的綺麗にバランス良くまとまっていると思います。
女子高生の友情、主人公の成長、DIYの入門書、全てが「そこそこ」面白い作品です。
飛び抜けた魅力まではいかないものの、充分に秀作ですね。
《以下ネタバレ》
【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
DIY。私も結構好きでやるんですが、その上で、本作を高く評価する点が、2つあります。
1つは、「DIYの魅力を正しく伝えている」こと。
もう1つは、「DIY(手作り)を過度に美化していない」こと。
まずは、前者から。DIYの魅力とは何でしょう?
私は「作った物に、物語という、付加価値がつくこと」だと考えています。
自分で釣った魚は、なぜ旨いのか?
それは、そこに「物語(苦労)」が加わるから。
アニソンは、なぜ心ときめくのか?
それは、そこに「物語(アニメ)」が加わるから。
正直、「品質」を求めるなら、プロに任せた方が良い。既製品でも、オーダーメイドでも、やっぱりプロの仕事は凄い。
また、「安価」を求めるならば、これまた効率が悪い。材料費+手間と時間、を考えれば、DIYしてる時間に副業でもして既製品を買った方が、結果、お金はかからないと思います。
それでもDIYが流行っているのは、やはり、「自分で作った」という物語が加わるからだと思います。
本作を観ていて、そういう本質的な部分は、ちゃんと描けているなと思いました。例えば、最後のツリーハウス作りも、DIYのマニアックな技術を見せるよりも、ドラマ性の方を重視しています。他もそう。DIYの技術をほどほどに見せ、「なぜ作るか」の方を重視していたように思います。
そこは、、、グッジョブです(笑)
次に、2つ目の視点です。
私は、もし、「工場の大量生産品」と、「ハンドメイドの商品」のどちらかしかこの世に残せないとしたら、間違いなく、「工事の大量生産品」を残すべきだと思っています。
なぜなら、DIYというのは、最先端の科学技術により生活にゆとりが生まれたから味わえる、贅沢品だからです。
誰も、生活のためにベランダで野菜は育てないでしょ? ベランダで野菜育てるくらいなら、日雇いバイトやって、スーパーで野菜買った方が効率的。あれは、「生活に余裕があるからできていること」。
その余裕を生み出してくれるのが、農家、運送業者、小売店など、各プロが介在してて、それぞれに、先端の科学技術が使われている構造。そこを忘れちゃいけない。
本作では、「潟女」と「湯専」が、それぞれ「手作り・古き良き」と「機械化・最先端科学」の比喩として、分かりやすく対比されています。
ここでありがちなのは、殊更に「手作り・古き良き」の魅力を打ち出し、「機械化・最先端科学」の方をバカにすること。
「機械的(経済的)な豊かさばかりを追いかけ、心の豊かさを失っている」
という、耳障りがよくて、安っぽいメッセージ。
そんなことを言う人、名画にトマト缶を投げて自称環境活動家を名乗る浅はかな人は、ガチの貧困に身を置き、それでも、同じことを言えるかを、試してほしい。
我々が、DIYや家庭菜園なんかを楽しめるのは、生活に困窮していない、余裕があるから。そして、その豊かな生活を生み出しているのは、最先端科学を生み出し続けた、先人達のたゆまぬ努力。
そこを忘れちゃいけない。感謝しなきゃいけない。
本作で好感をもてたのは、1度も、最先端科学や湯専を否定しなかったことです。先生がDIYを誉めるときも、手作り「も」良い、という言い方をしています。
以上、たくさん誉めました。それでも☆4にしなかったのは、単純に、キャラやストーリーなど、アニメとしてのクオリティが、あと一歩だったからです(苦笑)
{/netabare}