ヘンゼル さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
そういえばコレ、ガンダムだった・・・
1979年に公開された「機動戦士ガンダム」(ファーストガンダム)やその作品の延長線上にある歴史を描いてきたガンダム作品とは何の繋がりもない、別の世界軸のガンダムがこの作品の時代設定とされている。
すなわち、アムロやシャアといった有名キャラクターが出てきた世界とは違う世界のお話であるという事を念頭に観たほうがいいだろう。
舞台は簡単に言ってしまうと、大企業同士が資金を出し合って作った、コロニー型学園である。コロニー型学園とは宇宙空間に巨大な宇宙要塞を作り、それを学園に作り替えたと言ってもいいだろう。その学園では大企業の思惑が渦巻いており、大企業の社長やその息子、令嬢といったキャラクター達の群像劇が、この作品の特徴でもある。
主人公はタイトルにある通り、水星という過酷な星から、その学園に転入してきた女学生である。そしてひょんな事からそのキャラクター達に巻き込まれていくというのが、この物語の大まかなストーリーに当たる。
率直な感想として、ガンダム作品としては異質であり、挑戦的であると感じた。今までのガンダムは、主人公が戦争に苦悩し、時には負け、時には打ち勝ち、兵士として、人間として成長していくのがいつものパターンとして存在していた。
しかし、本作では「百合」(女性同士での恋愛関係)が示唆されるストーリー展開となっており、主人公はその中で、人見知りであり、人とうまく会話できない欠点を克服しようとしていたりするのがとても新鮮だった。
学園物というもの、新しい挑戦である。その中でどうやってガンダムやモビルスーツ(ガンダムと同じような巨大ロボット)を出していくのかも非常に練られており、ガンダム作品お得意の「人間ドラマ」も、話を進めていくにつれどんどん気になるものになっている。そういった上で、挑戦的ながらも見事に仕上がっており、とても面白かった。
作画も圧巻の一言に尽きる。ロボット同士の戦闘シーンはよくCGで作られがちなのだが、歴代の作品たちと同様に「手描き」という手法が取られておりとてもかっこよかった。そしてOP、EDの選曲も素晴らしいと感じた。
ただ、この作品はまだ一期であり、今後のストーリー展開がどうなるかは分からない。本レビューのタイトルが不穏であるのもそれが原因である。
第一期はとても良く作られていた。第二期も期待しよう。