「映画 海辺のエトランゼ(アニメ映画)」

総合得点
計測不能
感想・評価
45
棚に入れた
113
ランキング
4786
★★★★☆ 3.7 (45)
物語
3.5
作画
4.2
声優
3.9
音楽
3.3
キャラ
3.7

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ネタバレ

てとてと さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

男子でも見やすいBL映画。性別に拘らぬ普遍性を感じる良作

BL純愛ストーリーな59分弱のアニメ映画。BL特化のアニメレーベル「ブルーリンクス」の3作品目との事。
※作品データベース様より転載

【良い点】
今日的にホットな題材、LGBTQ(性的少数者)問題に真正面から切り込みつつ、王道素直な純愛ストーリー。
ノイタミナなどのTV配信では不可能な、規制の緩い劇場版で濃厚なセッ〇ス展開を描いた心意気。テーマ的に避けては通れぬ要素。
ここを真っ向勝負で描き、それが物語の完成度を高めている。
1時間弱で中弛み無く、男子ふたりのバックボーンを序盤に提示しつつ、これが常に効いてくるシナリオ構成が上手い。

男が好きだが周囲の否定的な目に晒され心に壁作っているシュンが、幼少期に母を亡くして寂しいが(男好きな事に対し)屈託のないミオ
と相思相愛しかし一筋縄ではいかない恋模様、これを繊細かつダイナミックに描かれている。
真面目な題材ながら適度にコミカルなのも見やすい。

シュンの幼馴染にして許嫁の桜子登場で修羅場含めて話が動いていく。ここからのラブコメが面白い。
負けヒロインの桜子も魅力的、シュンを本気で愛している切ない想いがちゃんと描かれている。
彼女の存在により、世間的な性別の常識を超えて、相手を愛する事を相対化・普遍化して描けている。
ミオ「俺、女の子が好きでも、駿の事好きになったよ。男が好きでもおかしくないよ」
性別の壁に葛藤するシュンに対し、紆余曲折の末の言葉でテーマが伝わった。
シュンの葛藤は、男女でロミオとジュリエットとか身分差とか、諸々の障害要素に置き換えても通用する。
よって、BLの色眼鏡を外して、普遍的なラブロマンスに昇華出来ているのがポイント高い。

キャラデザは男女どちらも可愛い、特にミオの感情描写は萌える。桜子さんとか、BLでも女性も可愛いのはポイント高い。
舞台となる沖縄の離島の美しい風景を鮮やかに描く背景描写も良かった。

声優陣は松岡禎丞氏のあざとい美青年ボイスが絶品、濡れ場の喘ぎがエロい。

【悪い点】
身も蓋もないが、濃厚なBL作品なので万人受けはすまい。
かなり濃厚なBL濡れ場があるので、BLに忌避感ある視聴者には厳しい。

シュンの葛藤は分かりやすかったが、相対的にミオの掘り下げが若干物足りなかった感はある。

男視聴者目線だと桜子さんが一番可愛かっただけに、当て馬で可哀想。
ガッ………ガイアッッッ(BLに挟まる女子)

【総合評価】7~6点
真摯で見やすいBL作品。BLに忌避感がある視聴者以外ならば、良作認定していいと思う。
自分は好きではないが、二次元なら許容範囲派。
評価は「良い」けれど、BL大好物!という視聴者ならばとても付けてもよさげ。

投稿 : 2023/02/01
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