てとてと さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
Key作品めいたギミックの泣かせ系ラブコメ。通してみれば良く出来ていたけれど、キャラが多過ぎたか?
制作会社パッショーネのオリジナルアニメ。(初?)
【良い点】
プロットがかなり上手く、序盤ありがちなドタバタハーレムラブコメ?から徐々に違和感→中盤種明かしで驚かせ→そこから主人公と亡き真ヒロインそして交流してきたヒロインたちそれぞれの想いが繋がり、切なく綺麗なラブロマンスに仕上がる。
Aiや仮想空間を用いた、スケールは狭いが一種のセカイ系めいた展開も良かった。
故人ヒロインの想いをAiや仮想現実で…な作劇は、種が分かると泣き要素。
故人ヒロインの切ない想いを反映させていくストーリー、終盤山場でのお涙頂戴は十分。
ラストのハッピーエンドも後味は悪くない。
ドタバタしたコメディーのおふざけと、シリアスの緩急も上手い。何となくKey作品めいているが、駄作寄りのKey作品(神様になった日とか)よりも上手い。
シモネタな次回予告とか、随所におふざけあり。切なさとドタバタ感を最後まで両立した。
ヒロインも人数多い割には持ち味を出せていた。
各国の留学生設定での良い意味でのテンプレの使い方も上手い。
各ヒロインの掘り下げや主人公に向ける想いは、やや駆け足ながらちゃんと伝わり、終盤の盛り上がりに繋がる。
声優陣が豪華。伊藤美来ファンなので。
【悪い点】
前半の恋愛ゲームめいたドタバタラブコメパートがイマイチで掴みが悪い。
ここに尺を割いた分、各ヒロインとの交流の印象が散ってしまった。
更に種明かし前だと謎なシリアスパートも戸惑いがちで面白くない。
ヒロインズの個性も魅力もエピソードも申し分ないが、12話で多過ぎ、個々の印象が薄まった。
アメリアや先生はともかく、やや埋もれた子も。
主人公の印象が弱い。
主人公にとっての真ヒロインな亡き幼馴染とのエピソードをもっと厚く見せてほしかった。
各ヒロインの性格や感情は実は真ヒロインの想いを反映している設定と展開は感動的だけど、そこに至るエピソードがいまいち弱い。
【総合評価】6点
良く出来た作品な割には、惜しくも決め手に欠いた印象。
ヒロイン数絞って、一番重要な伊藤美来ヒロインふたり+もう一人(一番キャラ立っていたアメリア辺りか)で濃密にやれば良かったかも。
骨子はかなり良かったので、こういう路線でもっと良くみせてほしい。
評価はとても良いには惜しい「良い」