ハニワピンコ さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.0
作画 : 5.0
声優 : 2.5
音楽 : 4.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
ちょっと盲目的過ぎない?
そもそも"映画大好き"という作品名、そういうキャラの元で自分の映画論を出してきていたが、所々で自分と感性が合わないなと思いながらも、まぁここの部分は重要じゃないし良いかと思いながら観ていたのだが、最後の最後 重要な場面でその受け入れられなさが爆発して無理だった
それが銀行の重役らに出資させろのシーン
数字と理論を見ている管理職に、最初から自分の武器として持っている“数字”を出さずに自身を敢えて追い込ませて、その後に"凄いことやってるオレ達"感だして感情論に持ってきて最後にはネットの圧力で感情論もひったくれも無い解決をしたのだけは理解できない
しかもそういう昔ながらの官僚的な体制を皮肉的に描いているならまだしも、ハリウッドを模した場所での業界人らのパーティで普通にセクハラ紛いな描写があったり、これはスポ根の側面的な部分もあるから描いたのかもしれないが、下っ端の新人監督が過酷な環境で全く寝ずに根性で仕上げるみたいな前時代的な描写を描いてるのは矛盾してない?
作り手の感性がそもそも古くてネットの怖さも分からないから、利己的な人間を晒し者にしようというこんな安易で気持ち悪い描写にしたのかなとすら思う。どこまで行こうと、90分のポップコーンムービーが好きな人間が「俺こんな凄いことをできますよ」と自分のツメの甘さは棚に上げて作った物
まぁ途中までの制作過程などは面白かったが、なんというか主人公二人が地味。大物俳優に食われてると自分は感じた。キャラが薄すぎる。どちらも行動で示そうとしているため、声優の演技の微妙さが足を引っ張りまくってる
特に女優の方は滑舌もだが抑揚がダメダメ。女優題材なのにこんな人を採用しろと言う製作が理解出来ない
ラストの大勝利エンドも、そもそもアカデミー賞こそ昔は25歳の新人監督が撮った『市民ケーン』や、10年程前にはアメコミ映画がノミネートすらされない、近年では配信限定作品が作品賞ノミネート止まり等から代表されるように“保守”の代名詞なんだよね。そこで賞レース大制覇と言われて、作られた作品の概要を見ていても納得できずリアリティが無い
自分のイメージするハリウッドを盲目的に描いてしまったが故のツギハギ感や矛盾からも掻い撫で甚だしさ、ツメの甘さが伺えて残念だった
あと、最後に一番嫌いな所を書きます
90分映画云々ってそもそも"業界人目線"からの話なんだよね。それなのにポンポさん“個人は“映画大好きと言われてもそうは思えない
少なくとも自分とは違う”映画好き“と見ます