「Buddy Daddies[バディダディーズ](TVアニメ動画)」

総合得点
67.9
感想・評価
173
棚に入れた
459
ランキング
2289
★★★★☆ 3.5 (173)
物語
3.3
作画
3.7
声優
3.6
音楽
3.4
キャラ
3.4

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ネタバレ

waon.n さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 2.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

かわいいだけじゃ…った

【First】

 親子ものでかわいい子供が登場するストーリー。
 とても子供らしくかわいいキャラクター描写でけっこうリアルに描いている脚本であるけれど、およそ日本とわかる国で銃をつかってドンパチするのは…と思いつつも、まぁそういう世界観ねと一歩後ろから見ていたけれど、3話目来ちゃいましたね。母親の擦れかたがとてもリアルっていうか、ぶっちゃけ銃をぶっぱなす一方で正論をかます主人公よりも感情が乗っかってしまいました。
 脚本の子供が妙にリアルな感じで描かれていたり、母親のセリフが地に足ついていたりして、この辺りは本当に良いです。

 今後どうなるか分からないですが、この方向性であれば、続けて観てみたいと思います。


【Staff】

 原案/シリーズ構成   下倉バイオ(ニトロプラス所属)
 監督          浅井義之
 アニメーション制作   P.A.WORKS

 ニトロプラスは本来ゲームメーカーさんでして、その中でシナリオライターとして活躍するスタッフがアニメのシリーズ構成や脚本を担当するケースがある感じですね。虚淵玄さんもこのニトロプラス所属の脚本家さんです。
 アニメの脚本も手掛けるようになって久しいので、そこそこ期待しても良いとは思っていましたが、今回はちょっと企画書が見える位につまらないシナリオで残念でした。若干ニトロプラスの看板大丈夫かと心配になるレベルです。
 監督には浅井義之さんです。
 こちらも個人的にはハマっていない監督さんでして、『Charlotte』『Fate/Apocrypha』『神様になった日』んで今作ですね。絵は良いものの作品全体でキャラに乗れないっていうか世界観が作れてないから、キャラが乗らないっていうか…? そんな雰囲気です。どの作品にもいくつかの嘘があって、それをどう受け入れさせるかって点が抜けてしまっているように思えてしまいまして…。
 アニメーション制作会社は【P.A.WORKS】好きだった人は多いのではないでしょうか。オリジナル作品と言えば、という感じですね。
 本当に好きな作品は多いです。岡田磨里さんや横手美智子さんなどの頃は良い作品が多かった印象ですな。
 直近の『アキバ冥途戦争』もなかなかコメントしづらい作品になってしまっていますよね…。どうしちゃったのよぉ~。

【Review】

 まぁここまで読んでいただいた方はお分かりかもしれませんが、ちょっと酷評になってしまいます。
 この作品が好きで汚されたくない方はブラウザバック推奨で。

 スパイファミリーの影響がないとは言わせまい。疑似家族で、幼女をかわいく見せて、殺し屋で、コメディタッチで感動もさせちゃおうっていうミックスジュースです。

〇良い所あるよって話。
 子供の性質を描けているっていう割と稀有な作品だと思います。
 大人では思いつかないような予想外の行動に出たりするので、その辺りを描くことはできていて、ミリちゃんみたいな子は本当にいそうな気がしてきます。また、その母親の持っている悩みや考えってリアルなんですよね、冒頭にも書いてますが、本当に地に足のついた感じ。だからこそ彼女の使い方が残念に思えてしまう部分でもあります。本当に妙にこの二人の存在感だけは厚みがあったように思えます。お母さんの温めるだけのハンバーグが好きとかそれだけで泣けなくもない。逆に主人公たちが…って話は次で。

〇世界を作れていないよねって話。
 冒頭にも書いたのですが、日本であれだけドンパチしてるのは、一応マスの中で行われているわけではないという前提で有りなのかもしれないと解釈しつつも、殺し屋っていう職業と彼らの日常とがリンクしない。すると主人公の二人が世界観の中に入っていかんのです。
 殺し屋としての生きる事と父親として生きる事のジレンマを抱える事を描かずにどうするん? こんな仕事で父親としてって見せる必要があるとおもうんです、そうすると彼らの暗い部分をもっと視聴者に見せてその対比の大きさが葛藤の大きさになるようにせんでどうするん? 最終話だってバシバシ殺しちゃってるじゃん。ちゃんとした父親になる為に殺さないようにしようって思ってその枷のためにピンチになるとかあるのでは…?
 スパイファミリーのレビューでも書いたのですが、あのバランスだから良いものになったんですよね。
 しかもあの世界観はちゃんとスパイがいてもおかしくない世界を選んでいて、必然性があるんで、説得力があるんですよね。
 今作は所謂、これ殺し屋である意味ってないよね…ってやつ。
 作りこみ甘すぎるのではないかと。だから企画書が透けて見えてしまうんですよ。

〇バランス感
 チューニングに失敗してます。
 シリアスとコメディ。
 リアルとファンタジー。
 っていうチューニングがあったとして、シリアスであれば、それだけリアル寄りになる傾向で、コメディであれば、それだけファンタジーよりになるっていうのは作り手としては気を付けるべき点だと思います。
 例えば、同時期に放送している『ヴィンランドサガ2』ではマンプ(『ぼのぼの』で使われる焦っている時の汗の表現とか)の使用はない。リアル路線で、シリアスだから。 
 日本っていう場所が現実的な背景で描かれてしまっているので、シリアスな作品として描く方が良い。ある意味海外のどこかみたいな設定だったらまだワンチャンあったかも?
 一方で、日本で銃撃戦をするとか殺し屋がいるのはファンタジーです。(一般人からしたら確認できないっていう点でファンタジーだと考えないと視聴者の想像力に頼りすぎッて話になっちゃう)そうするとコメディーとして成立する部分もあるよねって事になりますが…ここを認めるにはもう少しそういう日本なんですって見せるのは必要でした。例えば、新聞とかニュースが流れて毎日のように事件があったり、テロが行われていたり、犯罪が多くなっているとか。
 母親殺して感動させるならシリアスに振るべきだったしそれなら説得力をもっと持たせる必要があったわけですね。

〇マクガフィン
 殺し屋って設定がただのマクガフィンで終わってしまっている点はどうしたものか。本来はテーゼであるべきだと思うんですよね。
 つまり殺し屋の視点で物語が進んでいない。殺し屋っぽいことはしてるけれども…ね。
 殺し屋としての視点から、父親(仮)の視点になって、殺し屋を捨てて本当の父親になっていくっていう流れを描こうとしているはずなのに、この殺し屋としての視点(苦悩)がないからストーリーに厚みがないなと思います。
 設定としてのキャラでしかないように感じられてしまうって話でした。

〇作画について
 バチクソ綺麗ってこともないけれど、大きく崩れることもなく、ペラペラでもなく、PAらしさのある作画にはなっていますが、一時代を築いたPAからすると若干物足りないと感じることもあったりなかったり。


【あとに】
 アニメのオリジナルシナリオはスタジオで力を入れてる作品が多いと個人的には思っておりまして、品質の良い作品ができやすいのはありますね。
 『花咲くいろは』『TARITARI』『凪のあすから』『SHIROBAKO』この辺りの作品はとても印象に残っています。
 新しい脚本家さんを入れてみて色々と試してる感じはあるので、今後も期待したいのですが、もう少しちゃんと練らないといけないのでは…と思わざるを得ないなという印象でした。
 オリジナルに挑戦する制作会社さんで劇場版にいかないので、スタッフの皆さまは本当に頑張っていると思うので、PAさんは今後も期待しています。
 ちょいと酷評ではありましたが、好きな方はすみませんでした。
 何卒よしなに~。

投稿 : 2023/04/06
閲覧 : 202
サンキュー:

6

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