退会済のユーザー さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:途中で断念した
最初から駄目人間だった件
エロゲアニメを今風に一般向けにライトにした感じ。
パーフェクト美少女とモブ男子の妄想ビッグバンライジングラブコメ。
物語・いつもの
作画・テカテカしてないのはいいがアップ多用がキツい
声優・キャピキャピしてないのでキモくは無い
音楽・EDのカバーはわるくない
キャラ・いつもの
ありえない設定はツッコんだら負け。とはいえよくあるやつレベルなので想像の斜め上を楽しむ作品では無いもよう。主人公も前髪長めな古いエロゲの標準実装無個性タイプで特に嫌悪感はない。目つきで怖がられるみたいなサムい設定は時代にそぐわないのでオミット。ヒロインもトラウマ持ちの完璧超人というパーフェクトテンプレ。要請に素直に真っ直ぐで「思ってたのと違う」ってことはないと思う。見慣れた長文タイトルだが主人公は最初から駄目人間なので親しみやすさのフックとしてあえてのなろう風なのかな。ヒロインに魅力を感じればそのまま期待通りに楽しめる作品だと思う。カーストアニメならとらドラも最初はそうなんだけど底辺同士ENDだから許された。
導入部分だけなら相関もキャラも友崎くんにやや近い。あれほどの圧の強さはないが完璧超人が自身のエゴを押し付けるやつ。世話焼き押しかけ女房のようでいてただ自分の都合のみで駆動するヒロイン。自身の価値観にそぐわないものが許せない。不快感を感じるものが目に入るのが許せない。直接介入して他人の基準を押し上げて溜飲を下げる唯我独尊。周囲からの好奇の目線に晒される目立つ人間は取り繕うのに疲れてるため、作った自分を演じる必要のない素の自分をさらけだせる相手に飢えているもの。実際こういうカースト上位の完璧超人ってこっそり息抜き要員のモブを囲ったりもしてる。悪くいえば格下とナメている相手なので心理的安全性はバッチリ。なのでヒロインの行動原則に矛盾はなく破綻していないので意外と見れる。いやまあリアリティがあるとはいえないというかリアリティがないのがこういう作品の価値。ありえないからこそのエンタメ。
ありえなさの範疇は各個人の社会経験に依存する。共感性羞恥ってのは要するに未熟な情動発達による同族嫌悪なので諦めて押さえ込んで内在された鬱屈とした欲望を達成していない人ほどキツくなって耐えられない。普通レベルの生活してたらこの程度なら「ありえねーw」って笑って観れる。作者もリアルでの実体験がないからラノベやエロゲの範疇でしか考えられないんだろうなって感じ。もしくはビジネスとして割り切ってそういう人向けに書いてるのかもとも思うが多分一般人にこれは書けない。
おかゆ作ってきて「料理できるの?」にはマジで吹いた。おかずが豪華だなって言ってたけどそれより一番最初のおかずの方が全然手間だと思う。漫画的な舞台設定よりもこういうディティールこそがマジでありえなくて、主人公の幼さの表現として意図された演出でもないし相手の負担に一切想像が及ばないところがほんとにニートかサイコパスが妄想で書いてんだろうなって思う。劇中に満遍なく漂うとってつけたセリフの借り物感が半端ない。まさに「人間が描けてないキリッ」みたいなやつ。でもそういうアニメもあってもいいと思う。人間臭さに溢れる作品は元気な時に観ればいいし、瀕死な時こそこういう脳死アニメの出番。アニメに限らずエンタメ表現の細分化で各個人の環世界が可視化される現象は面白い。
最初から無駄にトゥンクしないし距離感を詰めていくさまを少人数でじっくり映し出す内輪劇も悪くはない。友人カップルのグイグイとくる圧の強さも観てて楽しい。キモいパンチラもなし。匂わせ演出からお互い好感を持ちながらも前に進めないトラウマ、みたいな謎で引っ張る構造に見えるのだが肝心要のそこの部分で「え?それだけ?」ってなりそうな予感しかない。友崎くんはまだ「ここは作者の実感なんだろうな」っていう説得力はあったが本作に関してはあまりそこは期待出来なさそう。お話の中身はもはやAIにすら負けるレベルだが、AIの水準が上がってマトモなものが書けるようになってくると、こういう妄想大爆発サイコパスDT文学こそ人間にしか書けないっていう価値基準になり得るのかも。話なんてどうでもいいからヒロインのビジュアルが気に入ってニヤニヤしたいだけ、ってんなら作画的にそこまで駄目な品質ではないと思う。
妄想アニメの要請には応える脳死パーメットスコア3。トンデモが足りないので地味。