Tenjin さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:今観てる
人でないモノたちの感情のドラマ
基本的にゲームそのままですね。風景とか音楽とか見覚えのある場面ばかりという再現度の高さです。
ここまで元に忠実に作ってあるとゲームをプレイしたほうがいいのではという疑問も少しわきますが、トロフィーやらエンディングやらをフルコンプするとかなり時間がかかるので(自分の場合、90時間以上)、プレイ済みの身としてはもう一度雰囲気に浸るだけならアニメでもいいかもしれません。
自分で操作しないアニメだと魅力の一つである爽快なアクションをダイレクトに感じられないのは痛いですが、動きのあるシーンを結構がんばって作ってあり、多少なりとも良さは感じ取れるようになっていると思います。
いかにもロボ然とした機械生命体はともかく、2Bなどのアンドロイドは見た目だけなら人間と変わらず、感情面でも非常に人間くさい。2Bは9Sに「感情を持つことは禁止されている」とか言ってますが、わざわざそういう事を言うのはつまり、ほっとけば持つものであることを示しているともとれますね。
見た目と言えば、2Bの胸元や背中が開いたドレスにハイヒールという出で立ちはとても戦闘向きには見えませんが、これは作った人の趣味でしょうね。女性キャラが美人ばかりなのもそう考えた方がしっくりきます。個人的には、2Bの目隠しを取った顔はゲーム版よりこちらの方が目鼻のバランスが取れていて好みです。
改めて思ったのは原作通りの音楽の良さ。荒廃した世界でアンドロイドと機械生命体が果てのない戦いを続ける悲哀が美しく表現されています。音楽も世界観を表す立派な一つの要素であると思わされます。
OP、EDともに癖のある歌い方の人ですが、割と有りですね。この作品はジャンル的にはSFに分類されるとしても、デジタルで無機物的な空気が支配する世界というよりは心とか情動がテーマにある気がするので、こういった感情をとことん込めて歌うスタイルの方が合っていると思います。
ED後の人形劇がかなりゆるいノリなのは、本編の総じて重苦しい雰囲気を和らげようという気遣いかもしれません。ゲームのストーリー展開をなぞるとしたら、救いのない話になるのはわかっているので。
3話で強敵らしき存在が現れてさあこれから、というところで以降の放送延期が決まったのは非常に残念ですが、質を保ったまま続けてほしいので待つしかないですね。