太郎 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
売れない歌手×天才軍師の化学反応
孔明がパリピになっちゃうんだとしたらイメージ崩れるから嫌だなぁ…と思ってましたが、そんなことはありませんでした。観ればわかりますが、ちゃんと孔明してます。あとOPとEDがすごくいいです。
内容は、歌手を目指す女の子を、現代に転生した孔明が知略でサポートする成長ストーリーです。才能があるのにチャンスに恵まれずなかなか芽の出ない歌手が、絶体絶命のピンチを孔明のトンデモ策略で切り抜け、チャンスをモノにする流れが痛快です。
これまでにも、売れないアイドルをスーパープロデューサーが成功させるみたいなアニメはありましたが、そこに孔明を持ってきたのが面白いところ。「そうはならんやろ」みたいなトンデモ展開も「孔明ならアリ」と思えるのはやはり天才軍師の成せる技。
それだけに、三国志の孔明が不世出の天才軍師だということくらいは知っていた方がいいと思います。全く知らないようだと、あんまり凄さは感じられないかも知れません。
孔明はめっちゃ孔明だし、主役の英子はすごいいい子だし、オーナーもいいキャラしてるし、脇役もみんな個性的で、キャラクターに関してはあまり非の打ち所がありません。
それだけに、ここが良ければ満点なんだけどなー!と感じる部分がいくつかありました。
{netabare}孔明の策略がメインの序盤、ラッパーメインの中盤、英子メインの後半という流れは好みが分かれる。序盤の孔明が強烈なだけに、それを期待してしまうと、後半は孔明の出番が減るので失速したみたいな印象があります。特にラッパーの話はあんなに深掘りする必要があったか疑問。完全に中だるみ。見せ場らしい見せ場も最終回しかないし。{/netabare}
たぶん原作者が本当に描きたかったのはアーティストの成長とサクセスストーリーで、孔明はそれを後押しする舞台装置だったのでしょうが、タイトルを「パリピ孔明」にしたことと、序盤に孔明を分かりやすく活躍させすぎたことで、期待値調整がうまくいってないかな?という印象。
英子の武器が「歌のうまさ」なので、劇中で歌われる曲自体は可もなく不可もなく。よくあるポップスという感じで、あまり印象に残る曲はないです。また、歌のうまさってある程度以上はプロじゃないと分からない領域なので、素人には凄みが伝わりにくいのももったいない。まぁこれは題材的にしょうがない部分ですが。
気になったのはそこだけ。そこが大事だったりもするんですが。アニメとしてはかなり面白いので、機会があれば是非見てほしい作品です。