ウェスタンガール さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
戯作三昧
…な昨年末を送ることが出来た。
その中でもこれは、異彩を…、いやいや、異臭を撒き散らし、愉しませてくれた作品であった。
それは、昭和のカビ臭さに塗れた記憶、貸本漫画の世界が転生してきたかのようなしつこさと、退廃的で禁断の香り漂う小芝居の住人をトレースしたかのようなキャラ設定、卑近にして猥雑、しかし、何処までも無邪気で戯けたファンタジーである。
これは何も今の世に限ったものでは無く、古今東西、慰みの具たる文学作品の根幹であることについては議論の余地がない。
そして今、フィギアを握りしめ、想像の世界に遊ぶテーブルトークのRPGが、コントローラやスマホに変わったとしても、それぞれが性癖のおもむくままに、狩り狩られ、慰み慰められる関係性が許された理想郷に浸らことができる幸せ。
あまりにもドラマチックなオープニングに痺れる。
始まりを告げるダイスの音とゴブリンの唸り声に心震わせながら…。
(独り言)
この作品と共に観たのが、同じく異色の“なろう系”、自分で下着を洗うことができる好青年が印象的な『最果てのパラディン』で、現在視聴中の『便利屋斎藤さん』を、より楽しむことに繋がっているようだ。