じょうのうち さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 2.0
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
びびった
以前にすずめの戸締りを見たときにcmで流れていて気になっていた作品。
ちょうど時間があり、cmから溢れ出るb級感に釣られて、バカにしてやろうと思いほぼ無情報で視聴することに。
結論から言うと、かなり面白かった。すずめの戸締りより好き。
特に中盤は泣いた。こころとお母さんの関係性が非常に繊細に、丁寧に描かれていて感動した。
思わずこころのお母さんに感情移入してしまった。心情描写がリアルでとても引き込まれる。
{netabare}
自分の子供が学校でこんな目に遭っていたら、いままでずっと言えずにいたのなら、そんな子供に冷たく接してしまっていた自分が許せないし、子供のために覚悟を持って戦うだろう。
{/netabare}
終盤は、泣けるというよりは消化試合だったけど、意外と伏線回収して驚き。ヒントを小出しにしたり、ミスリードしてくる脚本がうまい。
だいたい予想通りの真相だったけど、深読みしすぎかもなと思っていたので、甘く見ていたことに反省。素直に良作。
{netabare}
時間がずれてるかもと思ったのはこころが学校に来て、保健室の先生に確認したとき。
喜多嶋さんはこの中の誰かかもしれないと思ったのもこのあたり。
アキを助ける展開になったとき、アキが喜多嶋さんっぽいなと。
それで、孤島の最終日に苗字が違ったので考えすぎだったかなと思ったら結婚して苗字が変わったと。それは予想外だったなあ。
{/netabare}
素人声優が混じるのは仕方ない、アニメ映画の呪いのようなものだと腹をくくろう。
とはいえ、やはり終盤は駆け足で雑味を感じた。
以下、疑問点。私の観察力がないだけかもしれないが。
{netabare}
7匹の子ヤギが隠れた場所に刻まれたバツ印は他6人の墓標ってどういうこと?それが分からなかった。食われる前からバツ印あったやん。
鍵の部屋に現れたオオカミさまの服が破れていたのは、狼に立ち向かったってこと?ここ回収されなかったよね。
そして、結局あの孤城がどういう経緯でできたのかもよくわからん。
なぜリオンの姉がオオカミさまになったのか。
病室にあった城の置物を模して孤城を作ったのだとすれば、リオンの姉が何らかの能力を得てあの場所を創り上げ、オオカミさまを名乗ったのだと考えられるが。
それだとオオカミさまが創造主でありながら孤城のルールに逆らえないのが不可解。
もしこころが違う願いをかなえようとしたら、もしこころがカギを見つけられなかったら、みんな死んだままだったのではないか。
それとも、鏡の中での死は実は現実に影響しなかったり?
私が聞き逃しただけかもしれないが、ここは説明が欲しかった。
あと、単純に気になるだけだけど、最後はみんな記憶が残っていたんだろうか?
リオンとアキは覚えてるっぽい描写で、こころはどちらとも取れなくもないが覚えてなさそう。
もう一度見直して描写を確認したくなる。
{/netabare}
次は単純に不満点。
{netabare}
突然鏡が割れて、何事かと思えばアキが時間を守らなかったと。こころはその日城に入らなかったから狼に襲われなかった…だっけ?まあいいけど、こころの鏡が中途半端に割れたところに違和感。てっきりこころも狼の対象になるのかと思ったらそうでは無いらしい。なら何故割る必要があったのか。演出なんだろうけど、微妙。こんな都合よく部分的に割らなくても。
光の階段を駆け上がるシーン、躍動感がなさ過ぎて緊迫感に欠ける。
アキを助けるのが願い事って言うのは、あの状況なら当たり前すぎて肩透かし。もう少し上手い使い方を期待していただけに、残念。
アキを助けるときに他5人がいきなり現れて助けるシーンもチープに感じた。一人ひとりのアキに対する気持ちが全く感じられなくて、白々しいというか浅い。
あと、マサムネくんがいきなり真実はいつも一つ!とか言い出してビビった。声優ネタ入れる必要あったんか?
これは作品外のことだけど、1/20からの特典映像は蛇足にも感じた。
作品のその後は描かずにいたほうが視聴者が想像して楽しめると思う。
それよりも孤城ができるまでの前日譚とか、リオン姉の視点での補足が欲しかったな。
{/netabare}
以上、文句が多いのはそれだけ熱中できたから。
中盤までは本当に良かっただけに、終盤が惜しい。
予想以上に面白かったので思わず感想を書きたくなった。