アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
【グレートリセット】に備えろ!
アニメとしては珍しい金融に関連する作品であります。
金融関連と言っても専門用語が出てきたりして内容が難しいかと言えば、そういうわけではなく
「ディール」と呼ばれるバトルゲームの設定等についての説明不足なところが
若干あるものの話そのものを理解するのが特に難しいわけではありません。
評判も悪くなく、良作と言っていいほどの作品であるように思われます。
実際に面白いかどうかはどうあれ、是非とも見てもらいたいと思う理由は
只今絶賛開催中の【世界経済フォーラム(WEF)】通称【ダボス会議】の主要テーマ
【グレートリセット】について明確に描いているからであります。
「SDGs」や「持続可能な社会」という言葉自体は多くの人が見知っているわけありますが
それが意味するところや、如何にして「持続可能な社会」を作り出すかについて
知っている人はほとんどいません。
「新しい世界秩序」とは「古い世界秩序」を完膚なきまでにぶっ壊すことでしか
成立し得ません。
「持続可能な社会」とは【グレートリセット】なしには成り立たないものであります。
本作の【C】という現象が示唆する【グレートリセット】を理解、あるいは
そのイメージを掴んで、将来起こるであろう仕組まれた試練に立ち向かうことこそ
重要な意義があると思い、是非ともお覚悟頂きたいと願いつつ推奨する次第にございます。
※【グレートリセット】と【WEF】についてはよろしければ↓こちらも参照してみて下さい。
https://youtu.be/1MDN7LYsf9Y
https://youtu.be/CdCpIn7NpsU
{netabare}「ディール」の時間が【666】だったり、ミダスカードに【✡】が刻まれていたり
「太陽」みたいな「輪転機」の羽の数が【8】枚だったりと「金融」関連作品だけあって
「裏設定」のお約束は定石どおりにこれでもかとぶっ込みまくっている印象であります。
「拝金主儀」は【666】に由来するものでありますが、
「鳥」のようなアセットが【エンジェル】とか言い放っているのは個人的には
もの凄い「裏設定的な」ネタばらしに思えて仕方ありませんでした。
「ミダスマネー」とは要するに今現在米国の中央銀行=「FRB」や「日本銀行」などが
発行している銀行券=「不換紙幣」のことを表しているのだと考えられます。
現状の銀行券は金(=ゴールド)と交換できませんので、
結論から言えばただの紙切れでしかありません。
中央銀行は「信用創造」というある種のトリック?
錬金術によって借金を生み出すことにより
同時に資産としてのマネーを生み出します。
米国は世界最大の経済大国となりもの凄い量のマネーが市場に溢れていますが
裏から見たらそれは負債を前提にした経済であるというのが真相であります。
信用創造という錬金術により借金が増えれば増えるほど資産も増えますから
経済は回り、経済大国は経済成長を持続できます。
しかしながら、市場に信用不安が広がると信用創造の逆回転現象が起こり
資産は借金返済の方向に巻き戻されるようにして銀行により回収されていきます。
信用不安が起こるような局面では、銀行の貸し出しは抑制され金利も上昇しますので
借金してる人達の負担が増え、よって借金返済のためにあらゆる経済活動が機能してしまい
当然消費や投資も落ち込み、雇用は減り、失業者が増えて、不況になってしまいます。
不況になれば物が売れなくなり物価は下がるわけですが、もしも中央銀行が
紙幣を擦り過ぎてしまうと物価は下がらずむしろ上がってしまい
不況と物価高という二重苦の「スタグフレーション」に陥ります。
流行り病に絡む経済規制の結果、経済活動が停滞するため景気刺激策として
中央銀行は輪転機をフル回転してマネーをばら撒きましたが、あまりにばら撒き過ぎたため
米国や欧州などでは物価が異常に高騰、なので今度は物価を抑えるために金融引き締めという
急ブレーキで景気を冷やそうとしたわけであります。
景気が悪化したら収入は下がり、人々の生活が苦しくなりますが
さて、物価も同じくらい下がってくれたでしょうか?
ウクライナ紛争やその他が関連する様々な複合的要因が供給網に悪影響を及ぼし
あらゆる物資の輸送に支障が出てしまい、不景気にもかかわらず物価は下がり
難い状況にあるようであります。
「信用」に支障が出る以上のレベル水準で輪転機を回したのがそもそもの原因だったようですが
この先世界経済は打つ手なしの「スタグフレーション」に陥り、最後の悪足搔きの結果
最終的にはインフレとなって銀行券は紙クズ同然となり、従って我々の未来は
阿鼻叫喚の事態に陥ることは避けられない運命のようであります。
アニメとはフィクションでありますが、作中で暗示している【グレートリセット】は
将来起こり得るリアルの現実の事象であります。
「未来」を掴むためには中央銀行の輪転機を逆回転させるが如く
銀行券という名の「黒い紙幣(ミダスマネー)」を信用創造というシステムごと
完全リセットする必要があると本作はネタばらししているわけであります。
【C】とは1$札の裏面に刻印されたピラミッド頂点に輝く【目】=「6」=「👁」
を表しており、要するに【イルミナティ】と呼ばれる合理主義的金融マフィアの暗躍を
暗示しているものだと解釈できます。
ちなみに、ディール開始のバトルシーンでは【666】と【Θ】VS【◎】などが
画面に表示されます・・・
合理主義者は【国際金融資本】と呼ばれる【グローバルエリート】であり
【ダボス会議】の参加メンバーでありますから、
【C】が暗示する【グレートリセット】は必ず起こされるものと確信いたします。
今の基軸通貨体制が終わりに近づけば近づくほどお金の価値は下がり物価は上がります。
特に小麦など輸入に頼っている製品は益々高騰していくものと予想されます。
グレートリセットに備えてください。{/netabare}