てとてと さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
お金と絆の力で解決なバディもの。どちらかというと前半の個別回の方が面白い
筒井康隆氏の70年代の小説が原作のバディ物。ノイタミナ枠。
なんでも金で解決するイケ好かない後輩と、熱血先輩刑事が事件に挑む。
※作品データベース様より転載
【良い点】
規格外の財力にあかせたパワープレイで事件解決しちゃう、破天荒なノリ。アッと驚く外連味十分。
BGMやイケメンなビジュアル含め、演出がオシャレでスタイリッシュさ満点なのも笑える。
財力を近未来技術に変換してなんでもアリやってのける、SFコメディー?的な可笑しみがあった。
4話までの1話完結がかなり面白かった。(3話除く)
熱血刑事加藤が破天荒な神戸大助に出会う1話の掴みはバッチリ、4話の日常回も和む上にふたりのキャラクターや関係を掘り下げていて尊い。
5話以降も続きが少し気になる程度の面白味はある。
またラストの顛末が富豪刑事らしくて痛快。終わりよければ全て良し。
若い男子刑事ふたりのバディ物としては癖が少なく見やすかった。
加藤の過去トラウマ、イケ好かない神戸が徐々に加藤に心開きかける流れなど、男子ふたりが好ましい関係性になっていく様は王道。
EDの歌詞でテーマが分かり易く、ふたりの関係性はベタながら素直で好感持てる。
正反対なふたりが互いに影響し合って成長しナイスカップリングになる、男子刑事のバディ物としては2019秋の「トクナナ」よりは良い。
加藤のトラウマ克服を神戸が後押し、神戸の孤独を加藤が救う、双方噛み合っている。
ついでに、神戸の世間知らずで子供っぽい一面に萌え要素。女性視聴者ならずともかわいいと感じる。
毎話ラストの費用会計。「スピードグラファー」16話「半期決算報告」を彷彿。4話だけ金額が安くてほっこりしたり。
神戸大助役の大貫勇輔氏は素人で拙いながら、キャラには合っていたと思う。違和感は無かった。
OPがスタイリッシュ。ニコニコ動画ではやたら空耳発生で笑えた。
(定時だぁ…)(ちくしょうソーダ飲みたい苦ッぺっぺっぺっ!)(イカを勧めたナビゲーター)(謝って?)(あれ?免停?)
本編のコミカルなスタイリッシュさやOP空耳含めて、ニコニコ動画では結構楽しめた。
【悪い点】
5話以降の一連のシリアスがイマイチぱっとしない。
ベテラン刑事組が犠牲になって後味が悪かったり、神戸のマネーパワー封じられてフラストレーション溜まりがちだったり。
加藤は燻る期間が長く、神戸は独り勝手に動いて、その間の雰囲気が暗めであまり楽しくない。
加藤のトラウマも巨悪による陰謀ストーリーもありがちでヒネリが無く、面白味は微妙だった。
ベテラン刑事組と鈴江さん以外の面々が空気。サブキャラの扱いは「トクナナ」より更に空気だった。
上田麗奈氏演じるお菓子好きの女の子は可愛かったのに勿体ない。
【総合評価】5点
刑事バディ物としては「警視庁 特務部 特殊凶悪犯対策室 第七課 -トクナナ-」よりは断然面白かった。
「コップクラフト」には劣る。
一連の大きな事件はイマイチだったけれど、金と技術にあかせた破天荒さ&バディ物としては親しみやすい、ギリ佳作。
ノイタミナとしては凡作だけど、エンタメ作品としては御の字。女性視聴者ならば萌えアニメとして見ても悪くないのでは。
評価は1〜4話(3話除く)は良い、3話と5話以降は普通、通して普通に近い「良い」
【余談】
金の力で事件解決といえば、月刊コロコロコミックの「リッチ警官キャッシュ!」という漫画がある模様。(未読)
柳田理科雄氏の「空想科学読本」のネタに挙がっていて知った。
コロコロ漫画は大人になってからはご無沙汰だけど少し興味が沸いた。
「おぼっちゃまくん」でも茶魔が一日署長になった回でマネーゴリ押しやってたような…
まあ「こち亀」の中川もやってたかもだし挙げたらキリが無いか。
富豪ヒーローなら波乱万丈とか旋風寺舞人とか。