てとてと さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
独特な世界観でキャラをしっかり描けているラノベファンタジー
ライトノベルのハイファンタジー。
※作品データベース様より転載
【良い点】
ハーレム萌えなどのラノベのテンプレではない、真面目寄りの内容。
全般にシリアスながら作風は終盤除いてライト、セシリー中心の交流で雰囲気が良いのも見やすい。
説明不足な点はあれど、舞台となる自由都市の設定や、悪魔召喚や魔剣にまつわるダークファンタジー要素を盛り込んでいて見やすい。
作画も街の風景描写やルークが魔剣創造?するシーンのファンタスティックな外連味、魔剣同士の異能バトル要素など申し分ない。
地味な点ながら6話の食事シーンが良く、作品世界に没入させてくれる。
キャラデザは普通だがセシリーのおっぱいアーマーが良い。
ヒロイン、というよりもほぼ主人公格な少女騎士セシリーの、青臭いが高潔で真っ直ぐな性格が好感持てる。
実力が伴わないが騎士として守りたいものの為に一途に突っ走る。
ヒロインとしての可愛さ、ルークへの仄かなラブコメ感、リサやアリア、シャーロットたちとの真摯な交流も良かった。
殺戮の道具として生きてきた魔剣アリアに道具ではなく友として接し、不遇な亡命皇女シャーロットを慕い暴走する魔剣たちとは身を削って向き合い、
終盤哀しき秘密が明かされるリサとルークにも未熟なりに精一杯の想いの丈をぶつけ手を差し伸べる。
セシリー中心に主要キャラクターのドラマが軒並み良く掘り下げられている。
シャーロット一派の話に3話たっぷり割いた。
萌え的にはリサちゃんが健気で可愛い。ルークに負い目を感じてしまう重い事情が終盤のハイライト、豊崎愛生氏の好演も相まってグッと来た。
不器用なルークの真意とリサへの想いも尊い。
各キャラ中盤のコメディー寄りな日常回も、交流要素としてちゃんと活きている。
ラストは物語的には中途半端ではあるが、主要キャラが過去に向き合いこれからを期待させる、キャラドラマ的には後味が良い。
OPはセシリーのテーマとして真っ直ぐな歌詞で好感持てる。
EDはリサのテーマとして一見可愛らしいが最後まで見ると真意が分かる良曲。
声優陣は豊崎愛生氏がMVP。可憐さと泣きの演技が素晴らしかった。
【悪い点】
セシリー中心のドラマは良いが、ルークが分かりづらかった。
終盤事情が掘り下げられるが尺不足故か中途半端が否めず。
ルークがヒロイン(主人公はセシリー)としてはガードが固すぎた。
セシリーの人格面は好感持てるが、騎士としての実力はまるで成長していない。
魔剣アリアの性能のお陰に見えがち。
各国代表の会議が悪改変。
セシリーが割を食っている、代表たちも不愉快。
終盤が雑で中途半端。
黒幕シーグフリードが底の浅い小悪党でしかも取り逃がし盛り上がらず、ラスボスも復活せず終了。
【総合評価】7~6点
至らなさが多いのは否めないけれど、ラノベアニメのハイファンタジーーで真摯なキャラドラマは捨て難い。
アニメ化部分は原作の序盤で、ルークとセシリーの関係が本格的に動き出し佳境に入る前の下準備段階。
尺不足な1クールのアニメ化で苦しいところ、その割には善戦した。
評価はとても良いにやや惜しい「良い」