シボ さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
こころ揺さぶられるファンタジー。映像で観れて良かった。
本屋大賞受賞作で辻村深月のベストセラー小説。
自分は挿絵の狼の少女が気になって当時原作を手に取りました。
しばらくぶりアニメで振りかえったのですけど
うろ覚えながらも原作知っているからこそ気づけるんだろうなって
シーンも序盤から散りばめられていたし、
全ての謎が明らかになっていくラストへの展開は改めて
振りかえれて観て良かったな~って思えました。
そして今回、中学生の娘と一緒に劇場で観ることが出来たのも
学校生活について語り合える良いきっかけになったかなと思います。
伏線回収が醍醐味の作品なのでここから先はネタバレしてますので
原作未読、観視聴の方は読まないで下さい。
人間関係、勉強、親!?、様々なストレスを抱えてる。
ヒロインを始め孤城に集うのはそんな中学生の男女です。
それも学校生活で心が傷ついてしまった子供達。
学校へ行くことが出来なくなってしまった理由がそれぞれあるのですが
決してその理由がその子自信に非がある訳ではありません。
その証拠にお城に集められた彼らは、
常に相手を想いやって、薄々とは気づいてる傷、疑問についても
触れようとしません。
でも相手を気遣っているだけで、現実の世界から抜け出した
としても、彼らの本当の苦しみから救われるわけではありません。
こころの
勇気を出して、一歩踏み込んでの涙の告白は、その虐めの惨さ
怖さが十二分に描かれてて怖かった~~。
家に大勢で押しかけてきての窓、ドンドンはヤバすぎます。
(こんなの怖くて簡単に誰かに話せなかったこころの心情も
お腹痛くなるのもわかります)
突然ターゲットにされてしまった不条理さ、理不尽さに
胸が苦しくなりました。
虐められていることを誰かに話すって相当難しいと思います。
なんなら今回のイケメン?先生みたいに話をしたところで救われない
展開だって十分ありえます。
それでもだからといって誰にも打ち明けなければ、何も変わりません。
きたじま先生や母親、信頼出来る大人の役割は重要ですね。
自分も親としてその時、どうあるべきか考えさせられました。
こころ一人だけでなくこの短い時間でリオン、アキを含めて
孤城のみんな(オオカミ様)までの伏線をまとめあげていく
展開は原作ありきではありますけど、上手くまとまってたと思います。
原作を知らない娘は最後の最後、全てが繋がった時にめっちゃ
びっくりしたって言ってました。
(この部分は原作未読のほうが感動したかも・・・)
今、色々な悩みを持っている学生も
そんな子を持つ親にしても気づきの多い物語だと思います。
なにより、あの散りばめられた伏線が回収されていく展開はエンタメとしても非常に良く出来た素敵な作品だったと思います。