螺旋常連からくり剣豪 さんの感想・評価
2.9
物語 : 1.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 1.5
状態:今観てる
東京24区の2周目を見てる気分
アキバ冥途戦争に続くP.A WORKS産のオリジナルアニメ。イケメンの殺し屋二人がミッション中に偶然幼女を拾い、育てるという内容。
良い点は作画が良く、アクションシーンのレベルはかなり高い。前作のアキバ冥途戦争を思わせる出来になっています。声優や音楽も気合いが入っており、登場人物の掘り下げも塩梅が良い。1話の掴みは悪くないです。
懸念点は脚本、ストーリー構成が下倉バイオだということ。彼が以前手掛けた東京24区はシナリオが破綻しており、完走した私の評価としてはクソアニメと認定するには十分なレベルでした。
あちらと同じように当作品もツッコミどころが多い。防弾に使ったプレートが異様に硬過ぎるとか、潜入の仕方があまりにも下手だったり、カーチェイスのシーンで潜入してる奴がいるなら追わなくても良くね、など、よくよく見るとガバガバです。
しかしながら1話から色々おかしかった東京24区と較べると良くできてはいると思います。
6話まで観て
ここまで観て思ったのは殺し屋と子育ての相性が悪過ぎること。ミリに殺人の片棒を担がせるわけにはいかないから必然的にストーリーの展開がミリによる殺し屋の仕事の邪魔か最近やっている話である殺し屋とほとんど関係無い子育ての話の二つに絞られる。
こうなると話の幅を拡げられず、必然的に殺し屋要素が要らないという結論に至るんですよね。ミリがいるためにまともに殺せない以上、彼女を絡めた殺し屋の話をするなら誰かにミリを誘拐させて一騎たちが助けるくらいしかカタルシスのある話を作れないから展開が読みやすくなるし、それ以外だと後味が悪い話にしかならないしでこの組み合わせだと面白くするには相当の技量が必要なことが伺えます。
現に殺し屋と子供の要素をうまく合わせられておらず、それぞれの要素を独立した話でバラバラに展開しているので、安易にSPY×FAMILYの流行に乗っかろうとして失敗したようにしか思えなくなっています。
また、この作品は露骨な悪役を出して株を上げる展開を作ることもかなり多い。
絶対いないとは言わないけど日本の警官が子供にあんなに威圧的にはまずならんでしょ。この作品世界はどこのスラム街ですか。零の株を上げたいがためにモブを露骨な舞台装置にしてるのが透けて見える。
6話のコンビニ強盗も子供から弁当を巻き上げようしており、めちゃくちゃダサかった。こんなしょうもない奴を倒しても盛り上がらないです。もうちょっとまともな展開は無かったのでしょうか。
他にも一騎が24区のシュウタみたいな力の無い偽善者路線に入りかけているのも気になるところ。ミリの子育てに忙殺されていて殺し屋としての仕事があまりできておらず、口だけ達者な情けないキャラになっています。シュウタと違ってすぐウジウジしないところはまだ良いですが、やはりこの点は24区を思い出して不安になる部分です。
頼むから東京24区ルートはやめてほしいです。