いるかん さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
評価が分かれるのは当然だが、私には面白かった
アマプラで一気に見て、「あー面白かった」と思い、評価を見ると☆4。
さー、こっちで感想を書こうと思ったら☆3ギリギリ。
…ということで、タイトルの通りとなった次第です。
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未見の方のためにもう少し補足しておくと、原作はYoutube上の「ヒューマンバグ大学 闇の漫画」であり、さらにその原作群(※1)についてはWikipediaを読めばわかりますが、コンセプトが非常に特殊な「危機管理をテーマに、珍しい実話を基にした」漫画です。
※1 原作には複数のストーリーラインがあるので「群」としました。
本アニメでも、2本くらい別のラインの主人公が絡んでいる、あえて言うなら、ちっちゃい規模の「アメコミのスターシステム」状態です。
加えて、原作の「かなり視聴者が限られる作風」に対して、アニメではわざとチープな作画とポップな雰囲気のOP/EDにしたことによって、一般化というか門戸を広げたものでもあるため、ある意味、アニメ化としては正しい一つの解(※2)と思っています。
※2 漫画原作をなぞることを重視タイプではなく、原作の魅力をアニメ化+αで新しい原作ファンを獲得するタイプ
とはいえ「調べて、コンセプトに納得したので、全部を見た」から言える話であり、調べる前の2話時点までは「最後まで見れるか?」と不安になったのも事実です(笑)
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さて、評価が分かれる点について、あにこれの評価者層とアマプラの評価者層の違いまでは把握できてないので、ここからは個人の推測を交えながら、作品全体の感想と併せて書いていきます。
端的に言うとこの作品は「珍しい事件とその解説のために、ストーリー+漫画(アニメ)がある」と言っても過言ではないコンセプトです。
あえて例えると「テラフォーマーズで、能力の紹介と説得力のために昆虫の説明をつけている」表現の、説明つよつよ版、とでもいいましょうか。
なので、アニメそのものやストーリーだけで楽しみたい人にとっては、受け入れがたいのかもしれませんね。
ただ、これをリアルなアニメ、かつ、ストーリー重視で再現するには重すぎる+突飛すぎる展開が多いので、チープな作画じゃないとやはり視聴層がかなり制限されるアニメになってしまうのは容易に想像できます。
逆に、「鷹の爪団」や、「闇芝居」などのテレ東深夜ショートアニメ、を楽しめる人にとっては、1クールでストーリーが一貫しており、それなりに伏線回収もされているため、何度も言う通りコンセプトに納得さえできれば、むしろバラエティの一つとして楽しめるのかもしれないと考えます。
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あと、音楽を☆4にしているので書いておくと、NANOによるOP曲はカッコよく、ZAQや平田志穂子(主にペルソナ4)が好きな人におすすめ。
ED曲は、松田優作主演「探偵物語」で有名なBAD CITYのリメイクであり、アニメで集中や緊張をした後にスッキリさせてくれる、食後のブラックコーヒーのような感じで楽しんでました。
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最後になりますが、原作そのままでもない、{netabare} 「教授の存在というマクガフィンも残しつつ、リチャード・キンブル版の"逃亡者"のコンセプトを新しい切り口でやりきった」{/netabare}このアニメは、私にとっては面白かったです。