Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
特別な妃が誘う、圧倒的中華幻想譚――
この作品の原作は未読です。
物語の舞台は中華っぽいですが、原作は白川紺子先生による日本発の作品となっています。
そのため、しっかりした構成と綺麗な作画が特徴で、最後までしっかり楽しませて貰いました。
後宮の奥深くに住んでいる、妃でありながら夜伽をしない特別な妃・烏妃。
その姿を見た者は、老婆であると言う者もいれば、少女だったと言う者もいた。
烏妃の名は寿雪。
彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物さがしまで、何でも引き受けてくれるという。
時の皇帝・高峻は、ある依頼のため寿雪の元を訪れる。
二人の巡り合わせは、歴史をも覆す「秘密」を暴くことになる……。
公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
烏妃は夜明宮という前王朝の時代から存在する奥御殿です。
他の奥御殿には皇帝の妃として選ばれた娘が住んでいますが、この夜明宮の妃は皇帝の意志とは関係無く選ばれます。
夜明宮の妃は烏妃で、烏妃は女神である烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)に仕えていた巫婆(みこ)の末裔と言われています。
烏妃は他人との接触を極力避けなければならない掟のようなモノがありました。
先代の烏妃は、自身の後継となる寿雪に烏妃としての全てを教えてきました。
そして今、寿雪が烏妃として夜明宮に住んでいます。
これらを前提として物語が動いていきます。
使用されている言葉で聞き慣れないモノがありますが、公式サイトのトップページに「KEYWORD」というバナーが貼ってあり、こちらで丁寧に解説されているので、是非参考にして欲しいと思います。
不思議な術が使える烏妃…誰からも縛りを受けない妃…
一見そのように見えるかもしれません。
ですが、烏妃は見えない足枷でがんじがらめにされていたんです。
自ら望んで烏妃になることはできません。
法則は分かりませんが、烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)に選ばれた人のみが烏妃になれるんです。
これが幸福なことなのか、不幸なことなのか…
こればかりは周りが察することができないんです。
だから私も敢えて考えないようにしていました。
少なくても、寿雪は周囲の人たちから好かれていたと思いますし、それは寿雪も一緒だと思います。
もしかすると他人を思いやることは烏妃の禁忌に触れることなのかもしれません。
それでも寿雪は手を差し伸べずにはいられない…
そんな寿雪を演じているのが水野朔さんです。
改めて考えてみると、「ぼっち・ざ・ろっく!」の山田リョウと声のトーンが似ているようにも受け取れます。
まぁ、同一人物ですから当たり前なんでしょうけれど…
とりとめの無い話題ばかりになってしまいましたが、私にとって相当面白かった部類に入る作品でした。
物語の構成がしっかりしている上、やっぱり作画が綺麗…
特に寿雪の一挙手一投足には目を奪われるくらい魅力的でした。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、女王蜂さんによる「MYSTERIOUS」
エンディングテーマは、krageさんによる「夏の雪」
どちらの楽曲も通勤時に聴く楽曲でした。
個人的にはエンディングの方が好きかな…と思っていましたが、第13話では「夏の雪」がオープニングテーマに利用されたので「なるほど…」と思いました。
1クール全13話の物語でした。
原作は全7巻で完結しているようです。
続きが気になるところですが、4月19日に「TVアニメ「後宮の烏」 ―花咲の宴―」というイベントが開催されるそうです。
もしかすると、このイベントで続編制作が発表されるのでしょうか。
あまりにも尻切れトンボ的な終わり方でしたからね…
うぅ…そうあって欲しいと思えるほど、しっかりと堪能させて頂きました。