エイ8 さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
はうあっ!?
『Fate/stay night』(フェイト・ステイナイト)は、2004年1月30日にTYPE-MOONから発売されたコンピューターゲームで、ジャンルは伝奇活劇ビジュアルノベル。
2006年1月から同年6月まで『Fate/stay night』のタイトルで「Fateルート」の内容として放送された。全24話。(wikipedia)
個人的にFateシリーズ初視聴、原作も未プレイ。名前だけは知ってたものの内容には触れたことがなかったのですが、どういうわけか出るキャラ出るキャラほとんど皆見た事ある気が。ようはそれほどに人気作だったというわけなのでしょう。
ただ内容はお世辞にも上出来!という感じはしませんでした。本作は製作元から「ディーン」版などと言われているようですがやはりあまり色よい評価は下されてない様子ですね。
ストーリーとして特に気になったのは「7人のマスターと7人のサーヴァント」縛りで、佐々木小次郎がキャスターから召喚されたことによりサーヴァントが7人になるということは自動的に7人目のマスターはサーヴァントがいないということになると思うんですけど、作中でそれを主人公達が全く変に思ってないんですよね。通常8人目のギルガメッシュが出て来たらそれは7人目のマスターにより召喚されたと思いそうなものですがそうとは考えずそれを一種の異物のようにして扱うというのはちょっと納得し難い思考回路でした。もっとも原作ではこの辺をちゃんと処理しているのかもしれませんが……(そもそもアーサー王が女とか佐々木小次郎が架空の人物とかもマジなん?)
いずれにしろストーリーがどうのこうの言う以前に個人的には主人公の衛宮士郎(えみや しろう)にあまり好感持てなかったんですが色々見てるとやっぱり結構ウザキャラ扱いされてましたねwさもありなんって感じでしたw
原作が2004年発ということもあってか、彼も一世代前のフェミニストっぽいところが強く出ているように感じました。作中「女子はこうあるべし」みたいなのが多くてちょっと現代では通用しなさそうです。
またそれ以前の問題として、言ってることとやってることが違うというのが多々ありすぎて困りものです。女子(主にセイバー)に負担かけまいとして結果負担かけまくりというケースばっかりで割と苛々させられました。まあ単純にバカなんだろうなというのは伝わってきます。セイバーに稽古つけてもらう時もひらひらした服のままの方が良いみたいなこと言ってましたが、万が一にも怪我させたらどうしようとか思わんのでしょうか。
ラストにも彼女(セイバー)の誇りを汚すようなことはしちゃダメだみたいなこと心の声として言ってましたけどいやいや散々汚しまくってたでしょうよ。しかもその動機が結局のところ最初に会った時から好きだったからという自己中心的なもの。終始「ほんまこいつ……」って思わされまくりでした。
本当の設定としては皆に良い顔するタイプなんだろうと思います。それでバイト先で皆の代わりに働くとか、嫌な奴設定の間桐慎二(まとう しんじ)の無茶振りにも嫌な顔一つせず従うとか描写したんだと思いますが、実際の内容からはほとんどただ相手が「女」というだけで無条件に甘いようにしか見えませんでした。特に一応友達でもある慎二を殺されているにもかかわらずその仇でもある筈のイリヤスフィール・フォン・アインツベルン(Illyasviel von Einzbern)をあっさりと許し受け入れるとかちょっと良識を疑います。え?慎二は士郎を殺そうとしてたからって?でもそれイリアも一緒ですよね?
他にも遠坂凛(とおさか りん)のサーヴァントであるアーチャーにはやたら敵対的なのは相手が男だからだとしか思えませんでした。まあこれには理由があったみたいですがこの時点ではわかりませんからね。
それと元がエロゲなわけですからしょうがないといえばしょうがないんでしょうがそもそも実家に一個下の間桐桜(まとう さくら)が押しかけ女房というよりも家政婦ばりに炊事洗濯しにやってくるとか学校のマドンナ的存在である遠坂凛にライバルであるにもかかわらず付きっ切りで世話焼いてもらうとかあまりにも環境に恵まれすぎでしょ士郎くん。そりゃ慎二じゃなくても嫉妬しますよ。家もクソほど広いし固定資産税とかどうしてるんでしょうね。
教師の藤村大河(ふじむら たいが)には90年代的なノリがまだ残ってましたね。多少イリアにもそんな気配がありましたが25歳という本作にしては年長の彼女こそマスコット枠だったのかもしれません。
そうそう、レビュータイトルにも使った「はうあっ!?」は柳洞一成(りゅうどう いっせい)によるものです(何話かは忘れた)。ここにも古き良き時代の痕跡が未だ残っていてほっこりした気分になりました。