鬼戦車 t89 さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
最後に貨幣が登場して台無しになりそう。平和な共同体は貨幣経済が浸透したら、終了です!!
最終話(12話)まで完走しました。
農業を含めて全産業をナメたような話でしたが、漫画版と異なり、エロを抑えていたので、観やすくソフトな感じでした。
漫画版は全女性に露骨に手を出すので、やりすぎハーレムの結構キモい話でしたが、アニメ化に際して改変したのは良かったと思います。
本作品の魅力は、共同体を作っていく所にあります。今の社会は人間関係を維持するために莫大な金が必要です。
親子関係ですら金が無いと解散と相成ります。都市化して核家族化した現代社会の宿痾です。
ただ、昭和の頃までは会社が金のかからない、むしろ金が稼げる共同体として機能していました。
昭和の会社の家族主義は、外部の人間からしたらキモいですが、労使協調という馴れ合いで永遠の経済成長を目指すとともに、血縁、地縁から離脱した労働者に共同体も与えてくれました。
平成になり、永遠の経済成長が不可能だということが判明し、コストカットのため非正規社員やブラック企業が増加し、全てのコミュニティから疎外される人間が増えました。
もはや、金の無い奴は孤立するしかありません。本作品は、こんな時代を生き、いつ孤立化するか分からない我々に労働を通して結合した農業共同体の夢を与えてくれました。
癒しアニメとしては成功といえます。しかし……主人公は最後に調子に乗って貨幣を導入しようとします。
これじゃあ現実世界に逆もどりで台無しダヨ!絶対に貧富の差が発生し、ギスギスしそうです。
原作がどうなっているか分かりませんが、珍しい共同体アニメを自分で掘り崩すとは…。
主人公達の村は、他の勢力以上の軍事力を持ち、生産物の市場的競争力も抜群なので、発行した貨幣は強力な覇権通貨として流通することでしょう。
結局、安定的な経済成長で疎外感を乗り越えようという、資本主義的経済の外部を想像出来ないオチになったのは、とても残念です。
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1話観てのレビューです。
私は、コミック版を少し読んで挫折しています。主人公が万能魔道具的農具で開拓していると、色々なキャラが寄ってきて、村になってハーレム化するという内容でした。
基本、原作が農業をナメているので、全て魔道具頼みで苦労無く淡々と村が出来て行くきます。山もオチも無いゲーム実況を観ているようなフラットな感覚に襲われる不思議な漫画でした。
アニメ版1話を観ての感想は…、コミック版通りっぽい…。脳死状態でシムシティの街が出来ていくのを眺めるのが好きな方には面白いかもしれません。