RFC さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
術師のお悩み相談所 ただかなり重くてホラー
キャッチさんのおすすめで視聴開始。
原作未読。
【作品概要】
雰囲気は中国。
でも地図ではえらいちっちゃい島国。
(これは楽土の地図で地上ではない?)
主人公寿雪(じゅせつ)は宮中に居を構える孤独な術師。
呪殺~失せ物探しまで対価次第で応じます。
次々に舞い込む依頼を寿雪がさばいていくなかで、
術師としての在り方を迷い、問うていく物語。
【作品に対する感想】
この作品を一言で言うには…と考えたら
軽~いレビュータイトルになってしまいました。
しかし物語はかなり重めです。
人は簡単に死にますし、幽鬼(地縛霊みたいなもの)が
絡む話は妬み嫉み恨みのオンパレードです。
キービジュアルをみると美女術師がイケメン取り巻きを
侍らせてきゃいきゃいしてそうな物語を想像しますが、
全然そんなことはありませんでした。
かなりダークでホラーな雰囲気の中、各登場人物が夫々の
過去を抱え、行動していくいい作品だったと思います。
誤解覚悟でいうなら「ダークでホラーな赤髪の白雪姫」
といったイメージです。
物語としては一段落ついた感じですが、
核心の部分は良く解りませんし、解決もしてませんので、
2期があれば必ず視聴しようと思います。
1)物語
ほとんどの話で非業の死が絡んでいるので
物語としては重いです。
一方、1,2話で話が完結していくので、テンポは良いです。
ものによってはあっさり感はありますけど。
逆にこのあっさり感から思うのが、
「人がゴミのようだ」というムスカの名台詞でした。
数百年前は世界のどこでもあった光景でしょうし
地域によっては今もあるのかもしれません。
そう考えると今の日本は物価がどうだとか言っても
あれよりは遥かにマシかとは思ってしまいます。
なかには「それで殺す?」「自殺?」っていうような
ものもあって、人の負の想いというのは蓄積すると
恐ろしいと感じました。
寿雪がもたらす救いはあくまで
「せめてもの救い」であって、
ハッピーなものではありません。
この辺の重さは好みによると思います。
地名、人名がみな日本離れしてるので、なかなか
頭に入らないのがちょっとしんどかったです。
毎度字幕にしてくれてるので、まだ助かってますが、
それでも頭に入らないです(^^;
一部中国語読みと思われる言葉も普通に出てくるので、
そこは雰囲気でカバーするしかありません(^^;
2)作画
寿雪の術発動の所作がとにかく美しい。
これは見惚れます。
背景のモブなどはあまりまじまじ見てはいけません。
演出面では過去の話をするときは、
切り絵のようなタッチに変わるところが好印象でした。
ホラー感を緩和しているように見えて、増してる気がします。
4)音楽
OP「MYSTERIOUS」のVoがねちっこくて最後まで苦手でした。
曲は好きなんですけどね。
ED「夏の雪」
作品の雰囲気にぴったりの重さが好印象。
5)キャラ
➀寿雪(今代 烏妃)
先代烏妃の教えの通り行動した結果、
孤独の妃になった少女。
甘味であっさり餌付けされてしまう
「ベタ&お手軽感はちょっとどうなん?」
とは思いましたが、完璧なキャラは面白みがない
ということで、許します。
この娘のむくれ顔はなかなか殺人的です。
➁夏高峻
公平性と遵法性を併せもつ、高潔な帝。
私の勝手なイメージですが、レッドクリフとか見てると
中国の帝って「気に入らないと殺す」みたいな
イメージが強いので、意外でした。
寿雪に関しても警戒する猫に手を差し伸べるように
「まずはお友達から」と余裕のアプローチ。
私情が入り過ぎてるところは為政者としてはどうなん?
とは思いましたが、完璧なキャラは面白みがない
ということで、許します。
空っぽになったと言ってますが、ちゃんと人の心を
鑑みるところや時折見せる甘さも
こやつの魅力と思います。
贈り物のかんざしを寿雪が勝手に他人に
渡そうとしたことに不機嫌になったりとかね。