Tnguc さんの感想・評価
1.5
物語 : 1.5
作画 : 1.5
声優 : 1.5
音楽 : 1.5
キャラ : 1.5
状態:観終わった
「かわいい」は作れる。でも「面白い」は難しい…。
~
「ガンスリンガー・ガール」と比べると設定の下地がかなり弱いが、そこは「かわいさ」でカバーしたような作品。本作は「女子高生によるバディもの」というキービジュアルありきで制作されているのだろうが、その前提を基にして組まれたプロットがあまりにも拙い。「孤児を集めたエージェント」という設定や「洗脳しやすい子どもだけで構成されている」という部分は納得できるが、「日本における最強の迷彩服は制服」という謎のフォローはやや強引で、普通に考えて見知らぬ制服姿の少女たちが地元の街を徘徊している方が注目されるだろう。また、組織内で生活を送る少女たちは洗脳をされた気配もなく、俗世から離れた環境で徹底された訓練を受けているにも関わらず普通に外界と接触している為、いまいち洗脳された雰囲気も伝わってこない。本当に表面上だけといった感じ。なので、年頃な少女たちが組織に従順で、ましてや街の人々を見て自身の境遇になにも疑問を抱かない様子は正直に言ってヘンだと感じる。その為、作中では異端児とされていた主人公・ちさとの方が個人的には自然な思想だなと思った。逆に、そんな組織の管理体制の中で唯一と言っていいほどに洗脳されていたもう一人のヒロイン・たきなが組織内で異端扱いされていた方が余計に気になった。作戦中の行動に問題はあったにしろ、あれこそが組織の中で一番に求めるべき人材だろうに。さらに、バディ物を意識した構成は表面上のデザインと見事にチグハグしており、おかげで、売りである銃撃戦もサバゲーにしか見えず、おままごとのようなやりとりに命の重みが感じられない。多分、ちさとたちの強さの源が不明瞭だからだと思う。こういう導入の部分を見ていると、なぜ「あずみ」が名作たらしめるのかが分かる。気合いの入ったアニメーションは見ていて楽しく、主人公・ちさと役を演じる安済知佳(あんざい・ちか)による明るいキャラクター性は数少ない救いだった。また、2人の妙な友情も尊いマイナスイオンがたっぷりで、なぜ2人の仲が近くなったのか、そういうポイントはあまり伝わってこなかったが、そんなの気にする人も少ないだろう。なので、ストーリー上のアクションシーンはおまけ程度に留めておいた方が良かったように思える。少なくとも、視聴者のコメントを読んでいる限り求められていた部分はそこにあるように見えた。そもそも、任務に対する重要性は薄く、敵勢力の描き方もフワフワとしているため、リコリスにとって敵勢力がどういう脅威を持っているのかがいまいち不明で、緊張感に欠ける雰囲気だったのは疑いようがなかった。他にも語りたいことはあるが、このだらしない設定を製作側が把握した上で意図的に狙って作っているとしたら、ある意味アニメ制作側にとってはやりやすい時代になったなと感じる。
個人的評価:★☆☆☆☆(1.5点)