蒼い✨️ さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
淡々。
【概要】
アニメーション制作:WIT STUDIO、CloverWorks
2022年4月9日 - 6月25日に1クール目の第1-12話が放映されたTVアニメ。
原作は、『少年ジャンプ+』でweb連載中の漫画作品。
著者は、遠藤達哉。
アニメ版の監督は、古橋一浩。
【あらすじ】
東西に分裂したドイツを思わせる、
冷戦状態にある東国(オスタニア)と西国(ウェスタリス)。
西国に所属する変装の名人で敏腕スパイの主人公・暗号名<黄昏>は、
東国に潜入しての数々の工作活動の任務をこなしていたが、
その、<黄昏>にもは難題と言える新たな司令が下された。
「オペレーション〈梟〉(ストリクス)」
一週間で結婚をして子供を作り、東国の名門・イーデン校に入学させること。
その理由が、東国の国家統一党総裁で危険人物のドノバン・デズモンドの子息が通っている。
用心深くめったに表舞台に姿を見せないドノバンがイーデン校の懇親会には出席することから、
懇親会を利用して接触するために家族を偽装する必要がある。
<黄昏>は、孤児院の幼女アーニャを養女として、ワケアリの美女であるヨル・ブライヤと結婚。
精神科医の父、ロイド・フォージャー(<黄昏>の偽名)=敏腕スパイ。
母、ヨル・フォージャー=“いばら姫”の二つ名を持つ凄腕の殺し屋。
娘、アーニャ・フォージャー=他人の心を読む幼い超能力者。
血の繋がりもなく、お互いの正体を知らない3人の偽装家族の、
共同生活とスパイ・アクションがコメディタッチで描かれているのが、この物語である。
【感想】
この「SPY×FAMILY」の1期1クール目は、原作3巻までを概ね忠実にアニメ化したものであり、
取り敢えずキャラが一通り揃うまでの導入部であり、
大きな事件もなくて(?)、日常パートが多めでした。
作画の安定感やアーニャ役の種崎敦美やヨル役の早見沙織等でキャスティングを外すこと無く、
優等生的な作りではありますが、軽妙なノリのコメディードラマが、
個人的にはギャグもシリアスもアクションも余韻が皆無で、印象が薄いアニメでした。
アーニャかわいい、ヨルさんかわいい、ロイドかっこいい等の好きという感情を視聴者が築いた上で、
疑似ファミリーが絆を深めていく日常や非日常のスパイ・アクションを、
娯楽として消費するものですが、
私個人としてはキャラそのものに特別な感情を持てなかったのが致命的でしょうか。
そんな物は必要はない。アニメはアニメとして普通に愉しめばいいのでしょうけどね。
近年の映画を観てくれるお客さんが、映画に対して「アトラクション性」を求めている、
(中略)「お客さんはもう、映画にドラマを求めていないのではないだろうか?」
(中略)映画でしか体験できない・楽しめない映像や音を記憶に残してもらおうのを、
大事にしよう。アクション性とドラマ性のバランスが作品作りの重要な課題。
等など、作品作りのコンセプトを語ったのは、
「ONE PIECE FILM RED」で監督を務めたときの谷口悟朗氏ではありますが、
近年のヒット作が映像や音楽での揺さぶりが重視されつつあるのに対して、
スパイファミリーの場合はすべてが淡々としていて、
モブを含めた脇役らの描写が記号的で子供っぽく、
お笑い芸人のコンビのアンジャッシュが得意としている勘違いコントの可笑しみも、
特に笑えるといった類のものでもなく、自分の場合はただ本当にストーリーを消費するだけ。
アニメにキャラの感情の重さの優先度は低い!という方には丁度いい塩梅で、
世間的にも受け入れられているスナック感覚の人気アニメが、
単純に自分がアニメから感じる楽しさの性質と一致しなかっただけですけどね。
アニメの面白さは千差万別で、
嗜好の幅を広げてそれに対応できたほうが良いとは常々思っているのですが、
自分が作品から受けた感情を正直に話してみますと、この程度の薄い感想しか出てきませんでした。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。