タック二階堂 さんの感想・評価
2.6
物語 : 1.0
作画 : 2.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
今期の「なろう異世界」地獄17番勝負の2番槍。
詳細は略。
100作品のうち1本傑作があればいいほうの「なろう異世界」作品。2023年の冬アニメは、なんと17本も「なろう」作品が放送される“地獄のクール”です。
その地獄の17番勝負の2番槍がこれ。ちなみに先鋒は「ふにゃチン草食ドラゴン」です。
富士伸太さん原作の「小説家になろう」連載中の作品。制作は「RErideD-刻越えのデリダ-」「プランダラ」「可愛ければ変態でも好きになってくれますか?」のGEEKTOYSです。
主人公のニックはCランクパーティー「武芸百般」のメンバーで、会計係を担当していました。ある日、管理していたパーティーの金を他のメンバーに盗まれてしまいます。
ニックは、目星の付けたメンバーの仕業だとパーティーのリーダー・アンガスに報告します。しかし、アンガスは逆にニックをパーティーから追放します。その理由は、冒険者などというやさぐれた商売は、そういったトラブルには多少目を瞑らないと務まらない。ニックを自分の子供のようにかわいがっていたアンガスは、ニックのそういった潔癖さ、そしてニックの実力をもってすれば、Cランクパーティーの武芸百般などにいないで、もっと有力なパーティーに行くべきだ。
といった親心からの追放だったのです。
そんなことはつゆ知らず、武芸百般を追放されたニックは絶望します。そんなニックに話しかけてきたのは、アイドルグループの女の子。チケットを貰ったニックは、アイドルのライブに参加。ズブズブにドルオタになってしまうのです。
そんな人間不信でドルオタになったニックは、酒場で同じような境遇の3人に出会い、信頼関係を持たずにパーティーを組むことに…
というお話です。んで…
=====第1話視聴後、所感です。
{netabare}
上記のあらすじは、漫画系YouTubeチャンネル複数を観て、知り得た原作の序盤のあらすじです。
いや、あのさ…
こういった良さを、まったく見せないアニメの初回。
アンガスが、ニックを追放するただの横暴なパーティーリーダーとしてしか描かれてないです。
つまり、要は「いつものなろう追放系」にしかなっていない。
尺の都合はあるのでしょうが、そこを描かないと作品に対する興味を持ってもらうことなんてできないですよ。
原作のコミカライズは、絵が非常に上手との話もあります。
でも、アニメを観て思いましたよね?
どこが絵が上手なのかと。これも、制作陣に問題ありなんですよね。
あまり、こういった誘導をするのは好きじゃないのですが、絶賛していた漫画系YouTubeチャンネルの、本作の紹介動画のリンクを貼ります。
https://www.youtube.com/watch?v=cnYciwY41-U&t=82s
ここまで絶賛される作品のアニメ化がこれですか?
といった初回の印象です。いやあ、これはもうアニメを作る側が「所詮はなろう作品だから、この程度でええやろ」という認識しかないと思わざるを得ないです。
{/netabare}
=====第2話視聴後、追記です。
{netabare}
ごめんね。初回は言いすぎました。
2話でググっと面白くなりましたね。
なんていうか、あいかわらずチープな作画ではあるのですが(ゴブリンの群れに切り込む主人公とか、スケートかよみたいだったし)、それでも話で面白くしようという努力を感じました、
人間を信じられない4人が、それでも信じたい。そのために、少しずつ歩み寄っていく姿というのに好感が持てましたね。
これなら、今後の展開が期待持てそうです。
{/netabare}
=====第3話視聴後、追記です。
{netabare}
竜人族の娘・カランの回想でAパートまるまる使われたときには、思わず「せっかく2話でよくなったのに、長々と回想入れてんじゃねえよ!」と叫びました。そして、Bパートに入ってからも回想…
よーしよし、ガッツリと評価を下げてやろうと思いましたが、終盤に来て主人公がパキッと割ってしまったペンダントが、どういう代物なのか。割ってしまったことで、カランが過去のトラウマから少し開放されたということが示され、思わず「なかなかやるじゃん」と呟きました。
うん。今回に関しては、そのぐらい回想を入れたからこそ効いてきたと言ってもいいでしょう。この作品、けっこう悪くないですよ。
{/netabare}
=====第6話視聴後、追記です。
{netabare}
上がったり下がったり忙しい作品ですが、折り返しまで来て評価が定まりつつあります。
実はあんまり面白くない。
この人間不信の冒険者パーティの目的が明確でないというのもさることながら、ここへ来てやってることがショボいのなんの。
今回なんて、主人公の元恋人と、そのパーティー一味のライオンの獣人と対決するという。おお、切った張ったの決闘? いいえ、算数対決です。
アホらしいにも程がある。
そもそも振られた彼女と、そのパーティーをこらしめるのが、どこが「世界を救うようです」なのでしょうか。
作画もひどいねえ。とりあえず納期に間に合いましたというような感じ。そして、相変わらずの回想好き。いくらなんでも、振られた彼女の回想要らないでしょ。
そろそろ切るかどうかの判断時期に来たようです。
{/netabare}
=====第7話視聴後、追記です。
{netabare}
なんというか、算数対決に勝って賞金もらって休暇ですって。
んで、いきなりカジノに魔法使いの女が行ってて、そこに前回、算数対決で負けたライオンの獣人が魔物になって主人公を探し回ってて…
その前に、冒頭アバンで、そのライオンの獣人の過去回想(兄貴が屠られた)が入るというね。
作画もひどけりゃ構成もひどい。
なんていうか、もうええわって感じ。
今期のなろうは、お惣菜の取り寄せばっかで料理しない「放浪メシ」とか、ハーレムばっかで農業しない「のんびり農家」とか、ちっとも世界を救わねえ「人間不信どもが世界を救うようです」とか、ホントにひどい。看板に偽りありの作品ばかりですね。ここらで離脱します。
{/netabare}
=====第8話視聴後、追記です。
{netabare}
東京圏の火曜深夜は作品が枯渇しているため、家事の片手間に切った本作の続きを視聴。
主人公がドルオタになるきっかけを作った青髪のアイドル。その過去回想が流れます。
なんと1話まるまる使って。
やれ、アイドルになる前は場末のスナックで歌い手してましただの、そこに来た芸能プロのマネージャーにスカウトされただの、スナックの金髪店長がギャンブル狂いになって青髪に金をせびるようになっただの、結局廃業して金髪店長は街の掃除をしてるだの…
クッッッッッッッッッッッッッッッソどうでもいい回想を長々と…
この作品は、とにかくどうでもいい回想回想回想。そのせいで、まともにストーリーが進まない。いつ世界を救うんだよオラ。
やっぱり切ってよかったと思わせる回でした。もう観ないよ。
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}
火曜深夜が手薄なため、結局最後まで観てしまいました。
よくネットスラングで「いい最終回だった」というのがありますが、これに関しては「最悪の最終回だった」と言わざるを得ません。とにかく酷かった。
ひとことで言えば、尺が余ったから適当に作ったという感じ。
先週、ステッピングマンを倒して、やることがないもんだからパーティーの各キャラの休日を延々と見せられるという。そして、尺稼ぎの無駄な回想は健在。特に何か新しいことがわかるわけでもない主人公の幼少期の回想。しかも長え。
終盤の雑誌記者が号外をばらまきながらのシーンも酷いねえ。序盤からずっと、このアニメは会話のテンポがおかしいと思い続けてきたんだけど、確信めいたものを得ました。この間の悪さは、尺調整しているんだなって。
詰め込み過ぎもどうかと思うけど、スッカスカな内容をなんとか1話23分でこしらえるために、会話のテンポを悪くして引き伸ばすというのは下の下。しかも、赤髪の竜神族が酒場に登場するシーンを天ぷらしやがった。「あれっ? さっきこのシーン見たよな」って思った人が多いのでは?
万策尽きなかったのだけは褒めるところですが、こんなクオリティで1クールって…
構成が下手だったのは、EDの全登場キャラを見せるシーンで実感します。ほとんど誰だか印象に残っていないんだから。
原作にも問題があるのでしょうけど、完全に制作ガチャがハズレた感じ。絵もダメ、ストーリーも構成もダメ、見るべきところのない作品でした。
{/netabare}