太郎 さんの感想・評価
2.6
物語 : 3.0
作画 : 2.5
声優 : 3.0
音楽 : 2.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
ツッコミどころが多いけど憎めない作品
ツッコミどころが多すぎて、万人におすすめできるアニメではないんですが、個人的には好きでした。例えるなら「欠点だらけなのに憎めない人」みたいな作品。
まず、忍者がテーマの現代アクションもの…だと思って見ると裏切られることうけあいです。
忍法なんて出てきません。忍者の皮を被ったSFです。{netabare} 火遁の術はミサイル、水遁の術はスプリンクラー、忍者の里はネルフ本部です。忍び装束はスプリガンのAMスーツの劣化版みたいなクソダサスーツでシリアスなシーンが台無し。 {/netabare}
アクションシーンはたまにありますが申し訳程度。ただ、ラストバトルだけは別物。やたら気合い入ってて鳥肌モノで別の作品かと思った。
キャラデザはちょっと古臭く、無難なパンチのなさがたまらない。主役の一時は性格こそ主人公らしいものの、それ以外の部分がことごとく凡庸で物足りない。幼馴染の紅雪が主役でも良かったレベル。
ストーリーはジャンプの打ち切り漫画を髣髴とさせる絶妙なチープさが魅力。序盤は興味をそそるものの、中盤の忍術学園編がイマイチすぎて離脱者が続出。振り返れば必要なエピソードではあったものの、別にやらなくても良い話が多い。伊賀・甲賀以外の里とか、忍具のこととか、風呂敷を広げすぎた感は否めない。
ただ、9話以降に急に面白くなります。
意外な展開の連続で目が離せない。最終回に向けてのラストスパートの勢いだけなら今期トップクラス。それだけに、最終回の尺が明らかに足りなくて駆け足になってしまい、トップスピードのまま走り切れなかったのが惜しまれる。でも、自分はそれだけでもこの作品を最後まで見て良かったと思えました。途中まで全然ノーマークで見てたのに、終わってみたら見事に「ロス」を感じた稀有な作品。