tot さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
戦争ものの佳作
とりあえず、カナタの動きをずっと見ているだけで癒やされる。オープニングのkalafinaの名曲「光の旋律」を毎回とばさずに聞き入ってしまう。
「エルフェンリート」の神戸守監督作品。主人公のカナタをはじめ、キャラクターの一人一人の動きが丁寧に作られており、立体感のある砦の空間描写も見事。
物語は「時告げ砦」に通信兵志望の少女カナタが赴任するところから始まる。カナタは当初は起床ラッパもまともに吹くことができないが、先輩のリオに教えてもらうことで、徐々に上達していく。
テーマは引き継がれるもの、つながるものになっていて、カナタがかつて子供時代に出会った王女の拭くアメイジング・グレイスの曲が、リオの音と重なり、最後にはカナタの音へとつながる構成になっている。平和を望んで生きて死んだ王女イリアの思いは、カナタの言葉をきっかけに彼女の記憶と向き合うことを決意したリオ、そしてカナタへとつながる。
戦争を望む狂気から人々を救い出すのがカナタのトランペットの音楽なのだが、そこで冒頭のOPテーマの背景の意味が明かされる。ミリタリー女子萌えの百合わちゃわちゃ作品と見せかけて、一つ一つの細部が丁寧につながって、骨太の物語を織り上げている。
佳作。疲れた時に見て涙を流すべし。