二足歩行したくない さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
デイヴィッド・カッパフィールド的なしょうもないあれこれを知りたがるかも知れない
新海誠監督の劇場版アニメ作品。
前作『君の名は』で大成功し、商業に振り切った新海誠作品らしい作品です。
そのため、視聴前提としてネームバリュー優先のキャストや興行収入を前面に出した宣伝などに嫌悪を抱く方は視聴に向かないと思います。
個人的にはフラットな目線で良作だと思いますが、本作がブームのときはメディアで心のこもらない「すごい」が飛び交っており、作品自体とは関係のないノイズが多かった印象があります。
タイトルの通り、天候を操ることのできる女の子の物語となります。
異常気象によって雨が続く東京でしたが、彼女は不思議な力によって、祈ることで局地的に少しの間だけ晴れを呼ぶことができる「100%の晴れ女」でした。
家出をして東京に出てきた1年生の男子高校生「森嶋帆高」は、身分証もないまま働き口も見つからず、フェリーで出会った「須賀圭介」を頼ります。
そこは依頼を受けて記事を書く零細会社でしたが、宿と職を得た帆高は、仕事をする中で「100%の晴れ女」の都市伝説を耳にします。
ある日、帆高は巻き込まれた事件で「天野陽菜」という少女を救いますが、彼女こそ「100%の晴れ女」でした。
弟と二人暮らしで、食い扶持に困っていた陽菜は、帆高の提案で、雨を止ませることを商売にすることを思いつく、という展開です。
音楽は前作に続いてRADWINPSで、『君の名は。』同様、劇中の要所でMVさながら音楽が鳴り響きます。
綺麗な作画に流行りの音楽、走る少年少女と、こういうのが好きなんだろう感が鼻につく感じがありました。
ストーリーは良いのですが、正直無駄なシーンが多く、薄まっている感じがあってテンポはよくないと思います。
陽菜の声優の森七菜さんの声も不安定に感じましたが、一方で、声優経験の無い帆高役の醍醐虎汰朗さんはすごくあっていたと思います。
照れる声や戸惑う声がすごい上手で、そのため、帆高の方がすごく魅力的に感じました。
作画はそれを売りにしているだけあってとても良いです。
雨天から差し込む太陽の光がキラキラと地上を照らす場面など、とても美しいと感じました。
また、声はアレですが女の子もかわいくて、しかも常に脇を見せています。
私的にはビジュアル的には三葉の方が好みでしたが、本作のほうが俺たち好みだと思います。
ラストは結構、衝撃展開です。
世界か彼女かなんていう陳腐な選択肢に意味はなく、考えるまでもないですね。
ただ、これまで見てきた物語はご都合主義的になんとかなってたのですが、本作については。
でも本作がハッピーエンドかバッドエンドかと聞かれると、それもまた考えるまでもなく、ハッピーエンドだったと呼べる物語でした。