てとてと さんの感想・評価

4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

可愛く楽しいシュールコメディー全11話。キャラ設定が非常に上手く、友情も綺麗な良作

実は宇宙人、実はニンジャ、実は超能力者、実は男の娘な女子中学生四人組が、互いに秘密抱えながら仲良し、裏で奇想天外なトラブルが巻き起こる。

【良い点】
キャラ設定とそれを活かしたシュールコメディーが抜群に上手い。
ブリっ娘だが実態は宇宙人の軍人なリッカ大佐が超科学力で善意のトラブルメーカー、読心能力者な関根が配慮気苦労するが能力が女性限定なので、男の娘の翼(剛)には通じず、天然なニンジャ千代の奔放さもトラブルの種。
奇想天外な個性、絶妙なパワーバランスによる危うい関係と、仲良しな日常を大切に守ろうとする配慮が合わさり、毎度予想外の面白いトラブルで笑わせてくれる。
基本四人の掛け合い中心だがキャラ良しテンポ良し、可愛らしくシュールで楽しい雰囲気。

特に、異能者揃いの中で独り一般人な剛が、男の娘というだけで全くヒケを取っていないのがツボ。
中性的な魅力あり、男の娘として水準以上に可愛かった。

基本明るく楽しい作風だけど、四人それぞれやや重い事情あり、仮初の関係を壊すまいと奔走する様も、そこがコメディーになりつつも、友情の美しさもあり。
関根の境遇は結構シリアスだが、明るく友情コメディーに収まっている。
終盤はリッカの帰還や剛の声代わりと、いつまでも一緒にいられない一抹の儚さ匂わせつつ、ドンデン返しで綺麗に収めた。
ラストのオチはやや狂気を感じるが、伏線の上手さ(ED映像が実は…)と、ずっと仲良しの安心感、それぞれの優しいウソでかろうじて成り立つ危うく尊い友情を感じさせる。
視聴後に一抹の寂しさを感じさせるのは良作の証。

キャラデザはかなり可愛く、特にリッカ大佐のあざとさと剛が良かった。
また大塚芳忠氏のナレーションも良い味出している。

【悪い点】
四人のキャラ設定のみで話を引っ張るためか、若干地味。
千代の弟や剛の姉などの見せ場ももっと見たかった。

【総合評価】7～8点
可愛くて面白かった。ユニークな良作。
評価は良い寄りの「とても良い」