かがみ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「終わり」へと向かうコンステレーション
大学受験まであと1ヶ月となった2月13日、阿良々木は鏡に映らなくなってしまった自分に気づく。これ以上、吸血鬼の力に頼れなくなった矢先に彼の後輩と妹たち、神原駿河、阿良ヶ木可憐、阿良ヶ木月火が何者かに誘拐されたという知らせが入った。ここから「終わり」へと向かうコンステレーションが大きく描き出されていく事になる。ところで、かつて阿良ヶ木は傾物語で「世界と女の子を天秤にかけて、女の子を選ぶという奴か。今どきじゃの」という忍の問いかけに対して「もう古いよ。世界も救って、女の子も救う。そんな強欲さこそが今どきのヒーロー像だろ」と返しているが、本作でも「たとえ失敗しようと、それで人間的に成長できるのならば、ストーリーってのはそれでいい気がするんですよ」という扇の言葉に「どうせなら成功して成長したいよ。当たり前だけど」と返している。一見、何気ないやりとりだが、ここから「選んだ未来/選ば(べ)なかった未来」という二項対立的な価値選択の脱構築を志向する物語シリーズの通奏低音が聴こえてくるのである。