シボ さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
シリアスならとことんそうであって欲しかったかな。
日が暮れかけた放課後の屋上。
今にも飛び降りそうなフェンス越しの少女を助けようと
屋上まで駆けつけ、説得を試みた少年、神原秋人。
「不愉快です。」の一言と共に少女に胸を刺されるシーンからの
オープニングは唐突だったけどこの先の二人の繰り広げられるだろう
ドラマを期待しました。
この作品のOP茅原実里「境界の彼方」がとっても良いんです。
旅立ちを思わせる描写に差し込まれるバトルシーン。
曲のサビも最高なんだけど、最後の切なさを感じる未来のカット。
「迷い~ながらも~ 君を 見つけ~たよ~♪」余韻たっぷりと歌い上げる独特な声質がなんだか耳に残ります。
そんな期待感上がりつつの序盤ではあったんですけど、
秋人と未来の関係はなかなか進展もなくて
中盤まではドタバタな日常が続いていきます。
メガネフェチとシスコンの変態コンビは単純に面白いけど
途中、少々退屈に感じたところもありました。
あっそれでも6話のアイドルグループ顔負けの屋上でのガチステージは
そのクオリティも唸ったし、良かったです。
最終兵器からの天使の愛ちゃん登場!にはちょっと心持ってかれるくらいドキドキしたかも~。
物語の鍵である世界を滅ぼすくらいの力を持った境界の彼方。
そしてそんな力を体に宿す秋人。
世間からの孤独感を共有して徐々に互いが必要な存在に
なっていたのに、暴走する秋人を殺さなければならない過酷な運命。
幾度となく涙する未来の姿は胸に来るものありました。
名瀬家長女の泉視点で振り返っていく未来と秋人との出会いからの
日々。
未来が常に葛藤をもって秋人と関わってきた事実。
彼女のどこかぎこちなさはこういう事だったんだ~ってシーンが
いくつも思い浮かび切なさ増し増しなんです~~><!
自らを犠牲にして秋人を救う道。「ざまあみろ」って突き進む未来の
姿はやっぱり切なくて泣けます。
そんな何度となく胸が締め付けられる展開のまま、淡々と流れてくる
EDのSTEREO DIVE FOUNDATION「Daisy」も良い曲で沁みるんだな~。
二人の運命はどうなっていくんだろう?って
見守ってた終盤。
シリアスで重い展開にどんどん引き込まれてる中での
秋人の母の神原弥生の登場とかぶっとんだ姿やギャグは
このタイミングでは自分的にはいらないかもって思っちゃいました。
ずっと重い展開ってのも苦しいし、ギャグはあっても良いとは思うん
ですけど、入れる場面を考えて欲しかったな~。
切なさ増し増しだった
自分の感情が正直ちょっとズッコケるとこありました。
クライマックスでの
秋人を命を懸けて守り抜いた。そんなちょっと寂しい世界観、
喪失感がとても雰囲気あって良かったです。
・・・良かったんですけど・・・
それだけに最後のまとめ方は少しあっけにとられました。
最初から最後まで「栗山さん!」「先輩!」だった二人の
笑顔は、それはそれで素敵なんだけど、あの覚悟と消えゆくシーンが
印象的だっただけにちょっと惜しいなって思いました。