shino さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
花と亡霊
サイエンスSARU制作。
南北朝の時代、世阿弥と人気を二分した、
能楽師犬王と、盲目の琵琶法師友魚の物語。
犬王につられて踊る、手拍子し、客も舞う、
異形の存在たる犬王が躍動する様が描かれる。
盲目の友魚は、琵琶の音色で舞台を盛り上げる。
聴き取れない小さな声に反応すること、
歴史を学ぶとはそういうことかも知れない。
{netabare}彼らは全国を歩き、その土地の物語を拾う、
過去の亡霊の無念の声を聴き、音楽にして舞う。
自分たちがそこにいたことの証明である。
その物語を伝えることが弔いなのでしょう。{/netabare}
平家物語とは鎮魂の物語でもあるのだ。
やがて生き様が、文化・芸術となり、
表に裏にと、その物語も継承されていく。
留まり続けることなく変化を続けていく。
犬王、彼はある時代、民を熱狂させたのだ。