テナ さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
よく出来てます
電撃文庫作品。
電撃文庫と言えば数々の人気作品や有名な作品を続々排出していてこちらの作品もその1つです。
今作の主人公のシャナの心の変化が解りやすいのが特徴です。
シャナはフレイムヘイズで、最初はフレイムヘイズとしての考えかたで裕二にも接します。
人間を少し見下した様な、人やトーチを物のような扱い方。
人を「アレ」や「ソレ」で呼び裕二をトーチの「残りカス」と読んだり。
しかし、裕二と出会い彼に惹かれていく……
少しずつ少しずつ。
その描写が凄く解りやすく描かれています。
てか、シャナが心の声を語るのでそう言うのが伝わりやすいのです。
ただ、私は最初残念だと感じたのは、シャナが裕二を意識し始めるのが早すぎますww
ビックリするくらい早く意識し始めますw
裕二が雨が降ってきたから部屋に入りなよくらいのシーンから意識し始めてましたね。
しかしこの作品は、そうした残念な点や不自然な点をしっかり武器にしてきます。
それに気づいたのは、「シャナの危うさ」です。
今作品、裕二の母の千草が居ます。
彼女は立派なお母さんです。
裕二を息子としてみてるのは勿論、シャナを娘の様に大切にします。
その優しさで、あの頑なシャナも早い段階で心を許し、ある日シャナは「キス」についての疑問を質問します。
次の日に、アラストールと千草の電話でのやり取りで、千草はシャナに「危うさ」を感じたと話します。
それを聞いた時に、視聴者も気づく事になるのです。
「シャナの危うさ」に、シャナは性格的には素直です。
その場に流されそうな感じもしますし、彼女は恐らく人と接する事は少なかった。
だから、少し優しくされたら直ぐにころりと行きます。
普通、初対面で部屋に上がりなよと言われても部屋には上がりませんが、シャナは上がります。
流されやすい女の子なんです。
恋すら知らないシャナがキスに疑問を持つ。
キスはコミニュケーションの一環ではあるし作中でもありましたが、ハグや握手などと同じ感覚である一方で、キスには意味が込められたもので、コミニュケーション感覚で誰とでもするものではないけど、そうした事に好奇心や疑問で流されてしまうかもしれない。
それが千草の感じた危うさなのでしょうね。
この辺り、私が感じた残念な点に見えるシャナの意識し始めるのが早い点も、人とは接したことが無い彼女が感じた裕二への気持ちの疑問などシャナから読み取れる部分であり、最初は残念な点として見ていた私もこれには、なるほどなぁ〜wと思わされました。
あとこの作品は「恋」が複雑。
クラスメイト内で結構交差しまくってる感じがします。
シャナは恋を知らない女の子だし、シャナってツンツンしたキャラのイメージがあるんですが、ツンデレキャラって言うんですか?
ツンデレキャラってあまり良いイメージないのですが、シャナってよく見ると他のツンデレキャラとは違う物を感じたんですよね。
ツンデレをよく知らない私のツンデレイメージって、素直になりたいけど恥ずかしいから好きな異性には真逆の態度を取ってしまうってイメージなんですが、私がシャナから感じたイメージは……
自分の感情(恋心や嫉妬)が理解出来なくて解らなくてツンツンしてる感じがしました。
で、やっぱり彼女を見て居て素直だと感じたのは、戦う時に裕二が居れば「なんでも出来る気がする」って傍に裕二が居たら凄く強くなって、逆に裕二が居なかったり裕二と喧嘩しちゃうと、それが尾を引いて気になって本来の力が出せなくなって弱くなったりと、素直過ぎてそうなっちゃうんだろうなぁ〜って。
あと、裕二に鍛錬の約束をすっぽかされた話しですね。
裕二が吉田との図書委員の仕事を引き受けてしまう。
裕二は約束を絶対忘れてたでしょう?
途中で思い出して、シャナに謝罪にいくけど図書委員のお手伝いへ行ってしまう。
これはダメですね。
シャナからすれば納得できない。
別に鍛錬がしたい訳じゃないけど、自分との約束破棄して恋敵と一緒ってのは……
勿論、シャナはまだ自分の気持ちは理解出来てはないけど、吉田の気持ちには気づいているから不満だったのかな?って。
まっ、仮に行くにしても引き受ける前に相談くらいして欲しいよなぁ〜とは思いました。
裕二が言うように学校行事ではあるけど、裕二が行かなきゃ行けない訳じゃないから。
でも、シャナが優しいと感じたのは、千草に「男の子だから意地があって、特に気になる子の前では情けない姿を見せたくないのよ」ってセリフにシャナが勘違いして自分を気になっているのかと思ってさり気なくて「今はみっともなくてもいい」ってフォロー入れるシーンが何だか優しさを感じましたね。
しかも、こんな感じで度々フォローしにいくのが見てて可愛いし裕二への優しさを感じましたね。
後は、裕二に自分の好きな景色の星空を見せるシーンは素敵でしたね。
自分が好きな場所や好きな物って共感してくれたら嬉しいと思うし共感してもらいたいなぁ〜って思いますもんね。
そう考えるのやっぱり素直なんですよね。
最後は迷いながも自分の気持ちに素直になり裕二にも告白するし。
自分の気持ちを理解してからは積極的でしたね。
池くんはね。
やり過ぎだなぁ〜って感じました。
早朝に裕二とシャナを河川敷で見かけた吉田は2人の関係に嫉妬と不安を感じていました。
その事を池が吉田の前で裕二に確認してしまう。
これはダメだよね。
だって、吉田さんからしたら聞く覚悟も心の準備も出来てないのに……
自分で気持ちを伝えたならともかく他人の言葉で自分の気持ちが万が一にも終わってしまったら……と思うとね。
吉田さんが1番辛いよなぁ〜と感じましたね。
だから、彼女は決意する「告白」をしようと。
吉田の告白はよかったですね。
裕二ってトーチなんですよね。
それでも、彼女だけは裕二をトーチとしてではなく人間として見てくれた。
裕二は吉田の気持ちに凄く救われたとおもいます。
田中と佐藤はね。
多分、最初は興味本位だと思います。
非日常に憧れた少年。
けど、マージョリーに協力する度にマージョリーの力になりたいって鍛錬を始める。
この2人と吉田は裕二が拐われた後に彼を助けようとする。
佐藤はマージョリーから渡されたブルートザオガーを手にするも重くて重くて……地面から30cmしか上がらない剣を掴み救いに行こうとします。
けど、吉田が「違いすぎるんです」ってセリフ……人間とフレイムヘイズのスペックの違い……トモガラとやりあえるのはフレイヘイズだけ……人間に出来ることなんて……
それでも、出来ることはある。
佐藤と田中はブルートザオガーを荷車に乗せて運んでシャナに裕二を助けて欲しいと託す。
これは素敵なシーンです。
世の中に自分を無力だ、出来ることは無い、なんて場面に出くわす事は多々あるとおもいます。
でも、きっと無力な人なんて居ないです。
出来ないことは悔しいかもしれない、けど恥ずかしい事じゃない、恥ずかしいのは立ち止まってしまう事です。
だから、佐藤と田中の選んだ託す選択肢とハリダンからの援護、戦えなくても自分に今出来ることを模索する。
自分に出来ることを考え行動する事で力になる事が出来る。
地面から3cmしか持ち上がらない剣を持ち上げて、荷車を押してくるなんて相当頑張ったんだと思いますし、カッコイイなぁ〜と思いましたね。
吉田はシャナに裕二を助けて欲しいとお願いする。
吉田も言ってましたが、自分に力があれば助けに行きたい……
でも、戦えないから……
恋敵に頭を下げて好きな人を助けて欲しいって中々言えないかな……
だって、考えちゃうもんな、この先一緒にいても何かあれば自分は無力に終わる……けど、力のある人が隣に居たら助にいけるし力になれる……自分と相手との差や壁を感じてしまいます。
それをお願いしたら、それを認めちゃうようで…………けど、やっぱり好きだから。
大好きだから……その人を愛してるから、生きていて欲しいって思う。
この先、自分が隣を歩けないとしても、ただそれだけ、だからシャナにお願いできたのだとおもいます。
彼女も強い女の子ですね。
アクションシーンは色が綺麗かな?
炎の色が凄く鮮やかでシャナの炎の翼とかの色も綺麗だし、よく動いていた様におもいます。
あと、この作品の武器の名前やキャラの名前や専門用語も不思議と記憶に残りやすく感じましたね。
それらの意味についてもしっかり解説してくれてるから解りやすく制作されている点は高評価です。
シャナって確か最後は総力戦になるんだっけ?
個人的に、1期や2期あたりが1番面白い作品かな?とおもいます。
恋愛戦と戦闘が上手く組み込まれてる作品だと感じます。
当時、そんなに好きでもないメロンパンをシャナの影響で友達と買いに行ってましたw
子供の頃にみたシャナはシャナの赤髪綺麗だなぁ〜って見てましたが、大人になってみるとキャラの心情によく寄り添えて考えながら見ると伝わる事も多くて不思議ですよね。
アニメ1つで、自分の環境や時代、見るタイミングで新たな視点が開けたりと、やっぱりいつ見てもアニメは楽しいなぁ〜とシャナを見て再認識させられましたね。