エイ8 さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
魔王、人間は守るが同胞は見捨てる
『はたらく魔王さま!』(はたらくまおうさま)は、和ヶ原聡司による日本のライトノベル作品『はたらく魔王さま!』を原作としたテレビアニメ。
第2期『はたらく魔王さま!!』は2022年7月から9月までTOKYO MXほかにて放送された。(wikipedia)
約9年ぶりとなる続編。原作が完結したことに伴うご褒美みたいなものでしょうか。二期の絵柄はやや原作に寄せてる気がしますが、原作未読かつアニメ一期から連続で視聴した身からすれば若干の違和感が。やはり個人的には前期の絵柄の方が好きですね。特に恵美のOL然としたスカートが嗜好……じゃなくて至高だったのに(どっちにしろヘンタイっぽい?)
内容としてはアラス・ラムス(正直言って、間延びする名前……)を中心としたドタバタコメディが基本線。ガブリエルだったりセフィロトなんて名前が登場したりなんかしてより一層実際にあるような名前が増えました。漆原に全盛期があったみたいな展開は、おそらく実力がガブリエル以下の真奥に仕えてることに対する辻褄を合わせるためなのかも。大魔王サタンなんてのも出てきましたが、はてさてこの辺最初から考えていたのかどうか。
今回では元々怪しかった設定がより一層怪しくなり出した感があります。真奥が良い奴過ぎるのは前期からの流れなのでそれはまあ良いのですが、その一方で残してきた魔王軍については「もう諦めてる」とかちょっとどうかと思われる発言が飛び出ました。正直、今の真奥の性格なら何を差し置いても部下達を助けにいこうとする筈です。何だかんだ色々言い訳してますがゲートを開く力自体はあるのですから(結果失敗してるものの、前期のラストでサリエルを送り返すためのゲートはちゃんと開けている。というかそれ以前に敵味方双方からゲート開けられすぎ問題もあるわけなんですがw)
人間準拠として考えるなら魔族より人間を優先しているわけなのですから「良い奴度」としては上がってると見えなくもありませんが、やはりちょっと好感度ダダ下がりですよね~。まあ、そもそも魔王である彼に倫理的なものを期待する方が間違ってるということなのでしょうか。
泥棒を捕まえるシーンなんかにおいても、パッと見は確かに良い事言ってるように聞こえなくもないのですがどことなく違和感が。さすがに別の世界とはいえ侵略者の元締めとコソ泥を同一のものとしては見做せないでしょう。他にも恵美がガブリエルから実は父親がまだ生きているということを告げられた時、真奥が「(恵美)の心を折るようなことを言うな!」みたいな感じで(うろ覚え)怒ってましたけど、この辺も何かちょっとどうかなとw生きてることを信じて戦っていたのに「実はもう死んでましたw」とかならわかりますが「生きてるよw」って普通に朗報ですよね。父親を殺された恨みで戦ってるみたいなもんなのにその原動力を奪うなって趣旨なんでしょうが……この辺作者の倫理観なのか、魔族的感性としてあえて狙ってやってるのかちょっとわからない面ではあります。(ある意味、悪魔なのだからどれだけ偽善でも良いじゃない、というのも考え方としてはアリかもしれませんしw)
1期は2巻までの内容で2期は5巻までの様子、どうやら三期は確定しているようですが、はてさて原作のどこまでをカバーできるのやら。
そういや四天王の残り二人はやっつけのような設定でしたね。こりゃ多分原作の方でもあんまり良い役割もらってないなあ……いつか出てくるんじゃないかと期待してたんですが。