ぺー さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
良い資質
原作未読
街頭やネットの広告でも動画サイトでもけっこうお目にかかってた2022年の話題作。
近場でもハゲ散らかしたおっさんが「ピーナッツが好き!」と上目遣いしてもやや許されるくらい一般認知度は高めでした。
個人的には、実利の極致SPYと情愛の極致とも言えるFAMILYとの掛け算を期待させるタイトルに興味を引いた視聴前。
結果、対極にありそうな成分の化学反応は薄味で“FAMILY”に寄せており物足りなさを感じるものの、キャラ・音楽・動画は丁寧に作られているため好印象です。
FAMILY寄せすると安心安全なんですよね。そこでキャラを立たせてあげると最大値のリミッターは振れなくてもそこそこにはなります!
次にSPY設定は単純な東西対立。30年前のお値ダ…じゃなくてそろそろ多極化世界のSPYものを目にしたい気分な私。尖ってたりきな臭いものを欲するニーズには全くもってそぐわないのがもったいない。とはいえ世間認知度高い本作ではもはやニッチな期待なんて吹き飛ばして始めから齟齬なく視聴可能なことでしょう。
難癖つけましたけど普通に面白かったですよ。キャラバランスとテンポが小気味よいコメディです。
さて中身。わりとマス受けした理由として「いいなぁ」と思ったのはこちら↓
・でかい目
・絶妙にヲタに寄せない匙加減
第一話アーニャ初登場時の目の大きさのインパクトでかいです。そして表情豊かでよく動く。喜怒哀楽の落差はもちろん特筆すべきはまっすぐにこっち見てる時の目。こちらが秀逸。全編通じてアーニャの描き方に心砕いていたと思います。
主題歌はヒゲダン『ミックスナッツ』と源さんの『喜劇』。アニソン専任が悪いとは言いませんが、作品に合わせてオーダーしたと思しき楽曲を実力ある人達がハンドリングしているのが作品の間口を広げております。
あと種崎敦美さんの起用ですね。ピンク髪の幼女に声乗せるとして皆さんどなたを想像されましたか?
安直な私は、H高さん・K野さん・N縄さんらを思い浮かべましたがところがどっこいです。なおこの配役は良き化学反応を起こしておりました。主題歌しかり、アーニャに幼女キャラ重鎮の皆さんどなたかの起用をしてたら一気にヲタ嗜好品指数がアップしてたことでしょう。
…と娘さんに引っ張られた感ある本作。
スパイ父ロイド(CV江口拓也)と殺し屋母ヨル(CV 早見沙織)の組み合わせも良く、こんだけ有能なスパイなら娘経由でキーパーソンにお近づきになるみたいな不可抗力要素満々な方法とらんでも、とやはりこのスパイものは間違っていると思いかけたひねくれものを作品に戻してくれました。
とりあえずの全12話。2期が控えてます。
目線をFAMILYに置き続きを見届けることにしましょう。
■FAMILYはどこに向かうのかしら?
{netabare}早い段階でロイドは幼少期の自分をアーニャに重ねてるところありました。一匹狼がほだされる理由がある。
ところが一方の偽装父と偽装母の間には接着剤になりそうなネタは現時点でまだ弱い気がしますね。続編に期待したいポイントです。
ほだされることなく仮面夫婦の喜劇のままでしょうか。
黄昏は夜の帳が下りる手前の段階。ロイドさんからヨルさんにベクトル伸びそうな予感を持ちつつ、実はポンコツは仮の姿でスパイ以上に実利的な偽装母がなにかしら問題起こしそうな展開もこっそり期待しておきます。{/netabare}