栞織 さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
予想もつかなかった複雑なタイムリープもの
ジャンプでの連載作品が原作なようですが、そちらは未読です。この作品はいわゆるタイムリープものだと思いますが、それが単純なものではなくて、時間軸を移動するたびに移動先の時間もどんどん流れていくという、時間の概念的に現実的な物理法則に基づいて構成されています。従いまして、この主人公はやり直すために何度もタイムリープを繰り返すのですが、回数が増えるにつれ、移動先が破局点の時間に近くなっていくというデスゲームの仕様になっています。そのあたりが手に汗を握る展開になっているという趣向です。
お話はそういった構造をしているのですが、ひなびた離島の町、私の住む関西近辺の和歌山県の友ヶ島がモデルの舞台となっており、登場人物も和歌山弁をしゃべるあたりが非常に親近感がありました。またごく普通の家庭が主要人物の家庭環境なのもわかりやすかったです。全体的に高橋留美子先生のホラーものっぽくて、また小さな病院が舞台なあたりは仁木悦子先生の推理小説「猫は知っていた」を思い出しました。戦時中から戦後にかけての事物が関係しているのも、「猫」的だったです。しかし作画的にはかなり良かったと思います。キャラのアップの顔や表情が丁寧だったです。特にリアル風の変顔の顔には独特な味がありました。またアクションシーンにはキレがあり、ジャンプ漫画らしかったと思います。
全25話とやや長い作品ですが、途中中だるみもなく、山場も数多くあり、最後まで楽しく拝見できました。ただ血糊に免疫がない方には、視聴はやや困難かと思います。ゲームでよくあるホラーものだということです。それに、子供の遊びの「影踏み鬼」の伝承要素が加わった作品です。