ハニワピンコ さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
配信で観てしまい申し訳ありませんでした
これぞ劇場版アニメ作品と言わんばかりに、演出尺の取り方から劇伴まで、テレビアニメから一新されているスタッフの拘った作りに敬意を表する。マジで
夏は映画鑑賞が立て込んでて、本作は2ヶ月くらい上映する勢いだったので後回しにしていて、観ようと思っても2時間と言うアニメ映画では中々な尺も相まって、結果いつの間にか配信開始してて劇場での鑑賞を断念してしまった。そんな事を本気で後悔してしまうほど映画館で観る事への拘りが感じられて、配信で見ることへの罪悪感をチクチク感じながら観た
感情的になるシーンを敢えてキャラ達にそう表現させる描写をしないというのはめっちゃ良い。大人になったと言うのもそうだが、安易な泣き顔やギャグ顔を入れずにセリフや人物の些細な表情で描写して、それを安易に説明しない感じさせる作りにしているのは、しっかり鑑賞する劇場版作品ならでは
本当に劇場で見る作品という作り方に拘っていて、景色描写に尺を割いていたり、無音のシーンで夜や自然を大胆に映していたりと映像の面もそうだが、内容もテレビアニメの頃のワイワイ系とは違って、皆大人になり、時間は過ぎ、時間と共に無くなっていくものもある。という一新した寂しさもある雰囲気に浸れて更に魅入っていく作りになっている。展開はしっかりと起承転結を作り映画として良いのもそうだけれど、原作の要素を入れ込んだ小ネタをサラッとだけでなく本編に絡めていくのも良い
キャンプ場のテーマ自体はよくあるもので、それを作業していく中でだったり久しぶりに昔の友達と会う中で感じると言うこれまたよくあるもので、原作でもそういう描写で気付く展開はあったのだが、今作の場合はパーツが露骨というか、犬子の学校描写 キャンプ場に残った撤去予定の物 縄文時代の遺跡など、それぞれにシナジーを感じない、繋がってやっと一つになれるパーツに過ぎなかったのをメインとしているから“作業中の気付き”と言う部分が弱く感じる。もう少し柱となる重要な描写があれば良かったかな
原作からのifで大人になったとなでしこ達という挑戦的な題材ながら、原作 テレビアニメの系譜も辿りつつ、劇場版作品として作り上げられた、これこそ「アニメ映画」なのだと痛感して称賛したいと思った作品
アニメ 漫画を映画化する中で、映画としてもアニメとしても両方レベルアップしたいのならこれこそ求められている物だと思う。本当によくこれを作ってくれた