nyaro さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
キャラがアバターに見えます。原作よりはわかりやすいです。
「青い花」の原作は読み辛いです。初めて読んだとき「ポカーン」でした。まず、キャラが誰が誰だか理解できなくなり、また行動の原因や因果関係が読み取りづらいです。
具体的には書評じゃないので止めておきますが、アニメになってその読み辛さはほぼ解消されていました。カラーなのが良かったのかもしれません。
アニメ化されてびっくりしたのが、マンガのコマのサイズやコマ数と、アニメ上の時間経過がまったくリンクしません。多分私が小さなコマとかちょっとしたセリフ、絵の表現の読み取り方を分かっていないのだと思います。
それが今回アニメで解消されたのでその点は良かったですが、しかし、話が分かるとなおさらポカーンです。
なぜポカーンかといえば、ヒロインかと思われるあーちゃんの心の動きがまったくわからないからです。なにか各キャラクターの思惑に反応するだけのキャラの記号のような印象を受けます。
そして、ふみちゃんの内面も依存体質で「さみしい」「怒った」「嫉妬」「うれしい」「好き」などの表面上の内面はわかります。
ですが、彼女のバックボーンというか人間としての成り立ちというかそういうものが見えてきません。そしてふみちゃんの気持ちは依存にしか見えなくて、純愛に見えませんでした。
杉本先輩はラブハンターですか?という感じです。ただ、なんとなく人間としての裏付けが見えるのが唯一この人だったかなあ。
志村貴子さんの女性からの絶大な支持からいって多分私が分かっていないだけだとは思います。
作品の見方として、心情をシンクロして入り込む、自分に置き換えて入り込む、のは出来るかもしれません。あえて表面上の表現しかせず、淡々と人の動きを描写することで、感情移入のアバターとしての機能を持たせている気もします。
原作後半になるとちょっと印象が違う部分もありますが、アニメ化された部分まではほぼキャラの内面が見えてこない=キャラの区別がつかない、記号が動いているだけに見える、という感じでした。
ほぼ忠実なアニメ化で、最後だけちょっと違いました。小学校ですね。ここの意味なんですけど、5話の電車の中の「初恋」についての問答で、原作だと青い花のカットが入っていましたが、それがアニメ版だと入っていません。
その部分を最終回に持って来たんですね。「青い花」とは、あーちゃんが、小さくて目立たないけどそばにいてくれる綺麗な青い花でした、という意味だと思います。だから、あーちゃんは背が小さくなくてはいけなかったんでしょう。
ここはそこまで丁寧に説明する必要があるか?という気もしますが、一方でアニメを13話で切るにあたって、ここを最後に持って来たのは構成というか脚本が工夫したんだろうなあ、という好感は持てました。
また、作画が変わった動きをする感じなのも妙なひっかかりがあり、良かったです。独特で面白い画作りだと思います。綺麗なアニメでした。
ということで、志村貴子さんですね。難しいです。「青い花」で引っかかってしまい、「娘の友達」「淡島百景」は積ん読中です。他にも部屋のどっかに眠ってるかもしれません。どうも表紙が良くて見た目で買っちゃうんですよね。サブカル系のコミックが大好物ですし。
「どうにかなる日々」「ラヴ・バズ」「わがままちえちゃん」は既読です。短編でエロいほうが理解しやすいなあ。