「ハチミツとクローバー(TVアニメ動画)」

総合得点
76.3
感想・評価
595
棚に入れた
4088
ランキング
721
★★★★☆ 3.9 (595)
物語
4.0
作画
3.8
声優
3.8
音楽
3.8
キャラ
4.0

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nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

表面はさわやかな青春群像劇、本質は恋愛と才能の残酷物語。

 ハチミツとクローバーという題名がすごいですね。作中の表現だとクローバーは四葉のクローバーのことで、幸せのメタファですね。見つけようとしても見つからない。ハチミツはみんな一緒にいた日々のことでしょうか。これが本作のテーマなんだと思います。

 アニメがサブスクで見つからないので、記憶がコミックとごっちゃになっているかもしれませんが、ほぼ同じだと思いますので混同しても問題はないと思います。

 2組の恋愛をめぐるもつれ、竹本・はぐ・森田・先生の組、真山・山田・原田・野宮の組でした。

 さて、この中のどの組み合わせを見ても、幸せになる予感がしないというのが胆なのかもしれません。
 本作は甘酸っぱいというには、あまりに他人の不幸に依存したような歪な関係に見えます。純粋な恋愛に見えるのは、はぐに対する竹本、真山に対する山田くらいでしょうか。そして、大筋結論がでるのがこの2組でした。

 全体的にコメティだし、初めのうちはギャグか?と思うくらいの印象の明るくワチャワチャした感じでした。はぐも初めの内は、マスコット的にしか描かれていませんでした。この辺の導入には騙されます。キャハハうふふのお花畑少女マンガかと思ってしまいます。

 話が進行すると、真山組はドロドロしていて目も当てられません。特に原田真山の関係が、旦那を失った弱さ儚さに惚れるという感じですし、支えたいという欲求では健全な恋愛は育めません。ここは本当に気持ち悪い恋愛でした。

 竹本はぐ森田のところは、コミカルだし、竹本が爽やかに潔く描かれているのが救いでした。見ていて竹本の愛情が一番シンプルで気持ちがわかるし、乗れました。竹本が優しいだけというのも、彼の惨めさを際立たせていました。
 さらに、森田と竹本の対比は才能と言う面で残酷でしたね。竹本の出自との比較においてもですけど。

 恋愛を中心とした青春群像劇というには、あまりにきつい話な気がします。特に竹本か山田に感情移入するような構造なので、なんでマンガ・アニメでこんなに辛い目に合わないといけないんだ?と思うくらいでした。

 だからこそ、心に残る物語なんでしょうけど、決して好きにはなれる話ではありません。


 

投稿 : 2022/12/11
閲覧 : 262
サンキュー:

5

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