てとてと さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ドタバタエロハーレム萌えと、愛国保守寄りの政治色がチグハグな印象
アダルトゲーム原作で通称「まじこい」、全12話。
バトルで物事を決める学園で、頭脳派主人公と彼を慕う武人少女たちのドタバタハーレム萌えな感じ。
【良い点】
武術学園でバトルする「天上天下」みたいな設定で、華のある美少女たちが武芸百般でドタバタとバトルするノリは楽しい。
特に1話の掴みは見事、過程を省いていて原作知らないと戸惑うものの、テンポ良く各キャラの魅力と見せ場と世界観を開示。
2話以降は主人公にデレデレなヒロインたちのHなハーレムラブコメがあざとく、また主人公の独特な人柄と台詞回しによるパロディーやコメディーのセンスも面白い。
コメディーとしては6話が白眉、「いぬかみっ!」に迫る勢いあり。
キャラが多く掘り下げや交流が浅い割には各キャラに華がある。
王様ライバルとか高飛車お嬢様みたいな出番の少ないサブキャラも一定の魅力を感じる。
これに独特なノリの良さが加わり、作品として浅い割には視聴中楽しめる感じ。
コミカルとシリアスがチグハグなようでいて、案外バランスは取れていた。
作画はH萌えシーンが綺麗で可愛い他、戦闘シーンに外連味がある。
豪華声優陣。
愛国心から防衛問題を憂う政治劇な側面が強く、対する主人公の好きな人や事を大切にする回答は好感持てる。
テーマは明快で、これを過度にシリアスにせず、主人公とヒロインたちの日常の姿勢から気負わず解決したのは悪くない。
表向きのハーレムエロコメディーで茶化しつつ、そういう好きを好きと言える国云々の主張に繋げる作品で、その点に関しては好意的。
※レオン博士氏が論説されている通り、民主党政権(2009~2012年)への反発を表明した作品といえ、この点に関しても好意的。
【悪い点】
武術学園バトル、ドタバタハーレム萌え、政治的主張の強さがチグハグ。
通してみれば繋がっている事は分かるが、楽しみ所が分散している。
1話の掴みは良いが1話がピークになってしまっている、以降コテコテのハーレム萌えだがややくどい、以降の憂国的なドラマも、各キャラのバックボーンの掘り下げが不十分でいまいち。
特に敵側の掘り下げをちゃんとやらないとダメ。
ラストも主人公が黒幕総理倒すわけでもなく、父親関連も消化不良。
多分、原作の要素を詰め込みすぎている。
キャラ萌え作品としては、個々の交流掘り下げ不足。
最初から好感度マックスで過程が足りない故、魅力がありそうなキャラを活かせていない。
敵対からデレさせた和風高飛車なサブヒロインが一番可愛いが、所詮サブキャラ。
青髪の子のヤバい性格とか印象には残るが、キャラとして萌えたかは別。
コメディー面も凄く面白い程でもなく、キャラに愛着が湧きにくいので、冗長さを感じる場面も。
この点は好みの問題で、自分としては嫌いではないが、特に好きでもない。
作画は綺麗だがキャラデザが萌えない。
顔の線が硬質な感じ。
Hシーンは良質なだけに勿体無い。
【総合評価】4~3点
面白くないわけではないが、色々とっ散らかったアニメ。
政治主張については同意寄りではあるが、作品の面白さとしては評価せず。
H萌えにしろ政治劇にしろ、どちらかに突き抜けてほしかった。
「ガサラキ」みたいな。
評価はやや良い寄りの「普通」