nyaro さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.5
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
キャラ・経営・エロ・ギャグの要素が打ち消し合ってる。
美少女度合い、肌色の多さで男性向け京アニという感じですね。着ぐるみたちが親父エロキャラ=私たちという感じでしょうか。作画も非常に美しく、キャラデザと合わせて非常に良い出来でした。
本作は全体的な感想では残念ながら面白くないです。ギャグ、エロ、シリアスが等分くらいのバランスの作品で1話1話を見ているときは、普通に「まあまあ面白い」とは思います。
ただ、この3つの要素の組み合わせが変な感じで、キャラが多い上に、悪意のあるキャラと暴力も多くてどうも良い要素が相殺し合っている感じがしました。
構成が、初めの4話までが経営問題と役者問題、その後しばらくサブストーリーみたいな1話完結のエピソードになって、最後王女さま問題という感じの構成です。
この冒頭の4話の出来は非常に素晴らしかったです。ハウステンボスやUSJが個人の企画力で復活した例もありますので、個人力での再生ストーリーは面白いテーマだし、そこを役者としての失敗からの復活問題とリンクさせたスタートは良かったです。
もと従業員との軋轢や、顧客に手を出していいか問題、集客のモラル、秘書・中間管理職とはなにか、のような看板に偽りなしの非常に興味深いエピソードになっていました。
ところが、その後しばらくははっきり言えばドタバタ劇です。エピソードのレベルが低くないので見られるんですけど、4話までとニュアンスが違い過ぎてビックリしますし、同じような展開なので飽きます。
ギャグ・エロ・経営・暴力・王女様・主人公等々要素が多すぎて描き切れてないという点もあります。その上ゲストキャラまで使っているので散らかりすぎです。
何より、ここで気が付くのがキャラのほとんどの内面がまったく見えてこないことです。意見や我儘は言いたい放題なんですけど、キャラが沢山いてバックグラウンドが全く見えてきません。特にあのダンサーチームの女の子たちですね。お肌要因にしか見えません。本作の最大のつまらない原因はヒューマンドラマがあるようで、表面上でしかなぞってないので、まったく乗れないところです。
ヒロインポジションの千斗いすずちゃんですら5話以降は鉄砲キャラだけにとどまっています。つまりヒロインが不在な気がします。
これは王女さまも一緒でそれっぽい悲しい物語はあるんですけど、とって付けた感です。つまり、ブリリアントパーク側では辛うじてモッフルに魅力があったかなあくらいですが、彼とて対立者でしかないとも言えます。
その上肝心の主人公が嫌われ特性なので、彼への反発ポジションになると感情の置き場がありません。
本WEBページのキービジュアルの女性2人の瞳を見てみると、本当に感情が感じられません。それも美しいけど、魅力が無いことにつながっているのかもしれません。露出が多い女の子が描きたいだけのアニメになってしまっています。
そして、作中でも言っていますが、本質的な改革ストーリーじゃなくて、ジャストアイデアの一発勝負で何とかしただけでした。AVの女性を初め、あの採用組も結局は持て余してしまいました。
総評すると、京アニクオリティの作画、美術、キャラデザは十分できていて、非常に美しい作品でした。初期設定や本筋などは面白かったし、初めの4話くらいまではちゃんと経営再建とキャラの面白さエロさの両方が描けていたと思います。ですが、それ以降がいただけません。中盤以降は凡庸な作品でした。