蒼い✨️ さんの感想・評価
2.7
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
タイトルが長過ぎ!
【概要】
アニメーション制作:ウルフズベイン、スタジオフラッド
2021年10月6日 - 12月29日に放映された全13話のTVアニメ。
原作は、「小説家になろう」に連載しているweb小説を改訂し、
角川スニーカー文庫から刊行されている、ざっぽんによるライトノベル。
原作イラストは、やすもが担当し、
『月刊少年エース』にて、漫画家の、池野雅博の作画によるコミカライズ版が連載中。
監督は、星野真。
【あらすじ】
至高神デミスから人間、亜人、モンスター、その他の生物に分け隔てなく加護が与えられる世界。
この世界のあらゆる生き物はレベルと神から加護とともに与えられる固有スキルが存在していて、
その加護とは職業適性であり自分では選べないし、
加護に応じた役割を果たそうとの衝動の強制力で加護の持ち主の人格に影響を与えてしまう。
授かった加護に沿った生き方をするのが美徳とされているが、
加護が強力であればあるほど、加護による精神支配(汚染)に抗えなくなってしまう。
暗黒大陸を支配する魔王タラクスンがアヴァロン大陸に侵攻している状態であり、
アヴァロン大陸の半分は既に魔王軍に落とされている。
「勇者」の加護を持つ少女のルーティがいて、
勇者の序盤の強力なサポート役である「導き手」の加護を持つ兄のギデオンが主人公。
この二人から始まった勇者パーティー。
「導き手」は初期レベルが高いだけで成長性も強力な固有スキルもなくて、
高レベルになればなるほど、勇者の仲間としては戦力的には見劣りするものだった。
魔王討伐の旅の途中で兄妹は加護に恵まれた仲間を増やしていったのだが、
そのひとり、賢者アレスに嫌味たっぷりに、『君は真の仲間じゃない』と、
「導き手」ではこの先の戦いについていくのは厳しい=戦力外通告を受けて、
自覚のあったギデオンはパーティーを去った後に辺境の地ゾルタンで流れ着き、
元勇者パーティーであることを隠した平凡な冒険者としてレッドの偽名を使っていた。
薬草採取専門のDランク冒険者としてお金を蓄えて草店を開業したレッド。
彼のもとに金髪の少女が訪れた。かつて勇者パーティーと一時的に共闘した、
リーズリット姫、出奔して今はBランク冒険者のリットと名乗る彼女は、
レッドの薬草店に住み込みの店員として自分を売り込みに来たのだった。
結果として、レッドとリットの辺境の地での同棲スローライフになってしまったのだった。
【感想】
転生者が神様から貰ったチート能力で異世界で無双して成功者になっていく。
なろう原作の定番のイメージは昔はこれでしたが、
元の居場所から追い出された主人公が実は超有能で、
すぐに別の仲間作ってハーレム状態で楽しくやってるのと同時に、
主人公を手放したせいで昔の仲間が無能ムーブして勝手に落ちぶれたり、
場合によっては主人公に仕返しされていく、「追放もの」が今は多いですよね。
この作品にしても、
「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、
辺境でスローライフすることにしました」
ではなくて、
「オレ何も悪くないのに勇者パーティーから理不尽に追い出されたら、
ど辺境で金髪お姫様が押しかけ女房で楽しいイチャイチャ同棲スタート!
いけ好かない賢者は勝手に発狂してるし、面倒だけど始末するしか無いか…」
↑のほうが展開に合っていると思います。他の殆どの仲間が主人公に対して、
加護が弱くても彼の貢献が勇者パーティーの要だと絶大な信頼を寄せていて、
嫉妬狂いの賢者一人に出てけ!と言われて、他の誰にも告げずに従う主人公も意気地がなくて、
スローライフ(笑)ありきの拙くて強引な話に見えてしまいますね。
この手の話を楽しめるのは会社組織でストレス抱えてて、主人公の境遇に感情移入してしまう人。
主人公は左遷されたに等しい僻地で美人の彼女が出来て毎日イチャイチャしていますし、
ご近所からは一目置かれていますし、それは、評価されない男の願望に根ざした内容ですよね。
ヒロインのリットはどんな服装でもおっぱいの谷間を強調していますし、
恥ずかしがるなら隠しなさい!!見せつけられた上に赤面されても可愛いとは思えないのですよね。
中世っぽい簡素な作りの家に動力不明のオーブンがあったり、おでんの屋台があったり、
20世紀の現代的な背広を着た医者がいたり世界観がよくわからないです。ギャグアニメかな?
終盤には機械的な遺跡ダンジョンが出てきて、これって一度文明が滅んだ世界なのですか?
その説明はありません。いわゆるアダルトゲームの素材としては、これで充分なのかもしれませんが、
世の中にある普通の創作物と並べると、作りが雑すぎて、なろうはなろうなんだな…と。
なろうでもテンプレでもキャラクターと見せ方次第では面白いものがありますので、
十把一絡げに否定するのも間違いだとは思いますが、こういうのが普通にアニメ化するのに対して、
KADOKAWA凄いですねって意地悪な見方をしてしまいます。
スローライフと言いつつ、アダルトゲーム的な男性向けなサービスシーンが目立ったり、
悪役ムーブしてた賢者アレスが、加護が強力なだけの嫌われ者であり、
切れ者どころか無能な大馬鹿者(加護に振り回される前から歪んでいたらしい)で、
主人公のサンドバッグでしかなかったんだなとソイツがひたすら惨めな存在だったり、
こういうのでも好きで楽しめる人がいて需要と供給が一致してるのならそれでいいのですが、
自分としては娯楽としても人間ドラマとしてもどうでもいい内容でしたね。
縛られた生き方よりも自由を!みたいな作品のテーマ性らしきものが一応はあったと思いますが、
人類の生存圏が魔王軍にだいぶ奪われている危機的な状況のはずが、
魔族に落とされた国がその後どうなったかの現状が不明だったりで、
その上で、奪還なんて勇者の使命でやるものじゃない!行くも行かないも好きにやらせろ!!
自由に生きたい自分たちは田舎でスローライフしたいんだ!!!って他人事になってるあたり、
国境紛争や戦争が対岸の火事みたいな呑気な扱いにしか見えなくて、
これって平和教育の影響で生まれた負の遺産みたいな原作小説なのかな?
原作で続きを読むと違ったことを考えるかもしれませんが、アニメ化の範囲内ではもやっとしますね。
2期も今後あるみたいですが、あまり楽しみには思えない内容でしたね。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。