剣道部 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ガリガリ君ナポリタン味みたいなアニメ
[文量→中盛り・内容→考察系]
すみません、「らきすた」のレビューが引退宣言っぽく写り、何人かの方にはご心配をお掛けしました(笑)
これからも、頻度が減るだけで、普通にアニメも観ますし、レビューも書きますよ、ということでよろしくお願いします(笑)
【総括】
メイド喫茶×任侠モノ の、PAオリジナル作品。壮大にふざけていますが、クオリティは低くないです。
色々ごまかしていますが、人があっさりと死んでいく数は、歴代アニメでもトップレベルではないでしょうか?
個人的には、本作を単なるエンタメ作品とは思えず、「作品の裏のメッセージ」を感じたので、多分、深読みしすぎな解釈を書きたいと思います(笑)
《以下ネタバレ》
【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作において、メイド=アニメーター、ではないのだろうか?
限られたパイ(ファン)を取り合う、弱肉強食の各店舗(制作会社)。上の命令でやりたくもない仕事を請け負う現場。生死をかけるような仕事になってしまったメイド(アニメーター)という仕事。全体として衰退するメイド(アニメ)業界。
そんな風に思ったきっかけは、7話。ラーメン屋の大将のセリフ。
「変わらずにいるために、変えなきゃいけねえこともある」
調べると、これはラーメン屋の「春木屋理論」というやつのパロディらしいですが、私は個人的に、同社PAの名作「花咲くいろは」の、
「変わらないというイメージを人に与えるための変化は非常に難しいのだ。喜翆荘は常に進化を続ける。変わらぬサービスを続けるため、十年一日のごとくを守り抜くため、従業員たちの気概を感じる、とても温かな居心地のいい旅館だった」
という言葉を思い出した。共に、「変化しないために変化し続ける」重要さを述べている。
すっかり変わってしまったメイドの世界。そこに、「本来のメイドって、こういうモノでしょ!」と、在りし日のメイドの姿を求め、戦い続ける、ナゴミ。
メイドはもっと、自由で楽しいはず。
本来、好きなものを好きに仕事するのを夢みてメイドになった、ナゴミの魂の叫び。
なんかそこには、かつての(楽しく美しかった)アニメ界を取り戻したくて、現状(売上重視の過重労働や、表現の自由の制限など)を変えようと戦う、アニメーター達の叫びを感じてしまった。
アニメはもっと、自由で楽しいはず。
ガリガリ君ナポリタン味は、売り上げ的には大失敗の問題作だが、「自由なチャレンジ精神が社員を育てる」という、赤城乳業の社風があるから生まれたと、当時のテレビで観た。
本作のめちゃくちゃな作風は、色んな意味での、PAのチャレンジ精神を感じた。
本作をアニメ業界の比喩のように感じるのは、私自身が現在のアニメ界を心配していて、PAや「花いろ」が大好きだから、、、多分、ただのこじつけだとは思う。
でも、もしかしたら、今のアニメ業界が、任侠の世界くらい厳しいのかもしれない。
もし少しでも、「そうかも」って思われた方は、本作とアニメ界を重ねながら再視聴してみて下さい。アニメ好きな皆さんなら、色々なことが感じられるかもしれません。分からんけど(笑)
{/netabare}