イツキ さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ちょっぴり切なくて、でも優しい、絆の物語
祖母の霊力を色濃く受け継ぎ、人には視えない妖の類が視える主人公、夏目貴志。その特異な体質と幼少時の経験により、周囲に対して心を閉ざしてしまっていたが、祖母の遺品であり、彼女と妖達との絆の象徴でもある「友人帳」をめぐって妖や人々と交流する中で、かつて敬遠していたものたちの中から大切なものを見出してゆく物語。シリーズ6作目。
基本的には一話完結型の群像劇だが、物語を通して夏目が自身のルーツやアイデンティティを探す(特に祖父母)という大きな物語も同時進行している。物語を通して絆や繋がりがテーマであり、人恋しい夜長に観たくなる/安心して観られる作品となっている。
筆者のおすすめは、第8話「いつかくる日」。忘れたくても忘れられない、いけないとわかっていても止められない想いは人も妖も同じ。どちらも限りある時を生きているのだから、共に在りたいと願ったときは、つまらない意地を張らずに、その気持ちに素直になるべきという、普遍的な真理を説いた一話となっている。
OP・EDは、佐香智久「フローリア」と安田レイ「きみのうた」。どちらも安らぎと切なさを兼ね備えた、本作品ぴったりの楽曲である。フルで楽しむのも良い。