STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえず簡単な感想
原作は未読。
1期、劇場版「深き魂の黎明」に続き、相変わらずえげつなく容赦ない世界観と展開。
重い展開がずっと続き、気楽に観られるような作品ではないため、個人的には気合を
入れないと試聴できない作品。
それでも不快感や嫌悪感が生じないのは、見せ物的な刺激だけを求めたものではなく、
ストーリーやテーマに根ざしたものだからかな。
作品世界が非現実的なものゆえに、作品内での肉体的精神的苦痛や生理的嫌悪感の生々しさは
視聴する側に作品のリアリティを感じさせる重要なファクターになっている感も。
ストーリーは深界六層の慣れ果て村「イルぶる」を舞台にしたものだが、リコたちが村を
訪れた現在と、「イルぶる」成立の元となるガンジャ隊の軌跡を描いた過去とが描かれ、
「イルぶる」の因果因縁の精算といったような内容。
本作の鬱展開メイン担当のワズキャンは、目的のためなら冷酷になれるという点などは
ボンドルドと同じだが、純粋な探究心が行動の源になっているボンドルドに対して、隊員の命を
救うためだったり、皆の故郷と呼べる場所を作るためだったりと、根本的な部分は異なる印象。
まあいずれもいかれてはいるのだが。
いかれていると言えば、ワズキャンも看破したように、リコもアビスに魅入られていると
いう点では、「ワズキャンやボンドルド同じ側の人間なんだろうな」と改めて思ってしまった。
このリコだが、深界六層に来たということで上昇負荷でいよいよ戻れない状態に。
多くの冒険探検モノが、冒険探検で得たものを持ち帰る前提で話が進んでいるため、本作に
対してもなんとなく「上昇負荷の問題をどうやってクリアするのだろう?」と考えていたが、
自身の好奇心探究心を満たすための冒険探検なら、帰還は必須条件ではないわけで、リコも
あまりその辺は考えてないのかな。
「イルぶる」の住人の焦点を当てた内容のため、いつもの主軸であるリコ、レグ、ナナチは
今までに較べるとやや影が薄くなった印象がある。
それでもプルシュカの笛による白レグへの覚醒や、複製されたミーティがナナチの前に
現れたりと、見どころもあり。
演技的にはイルミューイ/ファプタの久野 美咲がとにかく素晴らしかった。
久野 美咲に関してはテレビ放映時期だと、他にも「サマータイムレンダ」のハイネ、
「リコリス・リコイル」のクルミを始め、このクールは彼女の好演が目立っていた印象。
本作では他にはヴエロエルコ役の寺崎 裕香も印象に残る。
2022/12/04
2023/03/25 誤字修正