タック二階堂 さんの感想・評価
2.6
物語 : 1.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 2.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
Z世代の「ぼくらの7日間戦争」。
詳細は公式でも。
宗田理原作、1988年に宮沢りえ主演で映画化された小説作品…の、名前だけ借りた何かです。
dアニメに開放されたので観てみました。
いやあ、聞きしに勝るひどさですね。ま、その評判を聞いていたので、ひどいもの観たさで観てみたわけですがw
心の底から共感性羞恥を呼び起こされる作り。K社から「おい、新海誠みたいな作品を、ウチの昔の小説作品で作れ」と言われ、ガワを似せよう似せようとして出来上がりましたよという感じ。観ているほうが恥ずかしくなるレベル。雨粒の表現とか、必死に新海作品を模倣したんでしょうね。
やー、主題歌を担当したSano ibukiさんという方も気の毒。なんたって、発注が「『君の名は。』のRADWIMPSみたいな曲を作れ」だもんね。いや、あくまで憶測ですが、誰でもそう思うでしょ。
で、「背景美術にこだわれ。新海誠みたいにな」と発注されたものの、そこは新海監督と亜細亜堂では違いますわな。いちおう「かくしごと」の監督さんではあるけど、ちょっと無理かな。
でまあ、それよりもひどいのは内容ですが、どうなんでしょうね。Z世代にとっては、このコップの中の台風みたいな大人への反抗が大冒険なのかもしれないですね。なんたって、動機が「引っ越しが嫌だから、7日間の期間限定で親から逃げてキャンプしましょ」ですもんねwww しかも高校生がだよw
{netabare}
ただ、やってることは犯罪の陳列棚。不法侵入は言うまでもなく、殺人未遂みたいなことまでやらかします。
しかも、お馬鹿さんたちは、こともあろうかSNSで発信までしちゃいます。うん。見事にデジタルタトゥーを残しちゃいましたね。
ラストシーンで、宮沢りえ演じるキャラが登場します。これだけのことをしでかして「まあ、なんとかなるんじゃない?」じゃねえよ。で、そこでTM NETWORK「SEVEN DAYS WAR」のBGM。そして実写版「ぼくらの七日間戦争」のイメージ写真を出します。いや、それがわかるのって50代のおじさんおばさんだけよ?
{/netabare}
なんていうかなぁ。こういうものを作りたいという意志がまったく感じられない。それこそ、この映画が再三言ってる「大人になるというのは、目上の指示に従うことだ」を地で行った作品。作りたくて作った作品じゃないと、こうも酷くなるんだなという典型でした。