RFC さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
あるひとつのものがたり
視聴にスタミナを要するヴァイオレット・エヴァーガーデン。
故に体調を万全に整えて視聴開始です。
【作品概要】
テレビ版の続き、最終章です。
感情が欠落したような兵士ヴァイオレット・エヴァーガーデン。
TV版では戦争で、両手と彼女を大事にしてくれた上官を失います。
字が書けない人が多かった時代、
タイプライターで手紙を代筆する職業「ドール」に就いた彼女は
様々な人の想いに触れることで、感情を理解し、
「愛してる」という言葉を理解していきます。
【作品に対する感想】
最後は嫁と共にボロボロ涙を流しながら視聴してました。
真摯な想いの良い作品でした。
そしてこれもまた時の流れを感じざるを得ない作品です。
ゆるキャン△映画のレビューを書いた後にこんな作品に
出会えるなんて、運命を感じずにはいられません。
これまでの作品群が好きな方には
ぜひ最後までご視聴ください…と思いました。
1)物語
➀対比
対比を強く感じました。
{netabare}
TV版と数十年後。
無くなってしまった郵便社。
亡くなってしまった代筆依頼者。
伝達手段は手紙から電話へ。
そのころヴァイオレットは存命なんでしょうか?
誰にでも必ず訪れる「死」。
そこははっきりと描かれません。
戦争の傷跡から立ち上がったホッジンズと
戦争の傷跡から立ち去ったギルベルト。
折れずに貫いたヴァイオレットと
折れてしまったギルベルト。
{/netabare}
➁あるひとつのものがたり
伝説となったドールのすべての想い。
それですら世の中からすれば、
どこにでもある一つの物語に過ぎない…。
そんな印象を受けました。
2)作画
セリフで語らず、表情で語る。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンが通したスジだと思います。
そして美術や作画の美しさはTV版を凌駕します。
3)声優
2)と対称になりますが、
絵で語る分、セリフは少なめの印象です。
慟哭やすすり泣きで語る…そんな演技が印象的です。
5)キャラ
➀ヴァイオレット・エヴァーガーデン
育ちからTV版の初期の頃「妄信的」という印象だった
彼女が、自分で選んで行動している印象です。
➁ギルベルト・ブーゲンビリア
彼の罪悪感は想像することしかできなんですけど、
「折れないでほしかった」…。
6)一言
ヴァイオレットの想いが伝わってよかったね…。
なんですけど、正直思ったこと。
{netabare}
最初ヴァイオレットが訪れたとき、ギルベルトは
「会わない」ということを自分の意志で選択したわけですよ。
あれだけの想いを伝えたヴァイオレットに
「会わない」と。
ヴァイオレットを傷つける、
ヴァイオレットの想いを否定するということを
分かった上で「会わない」を選んだはずなんですよ。
にも拘らず、それを覆したギルベルトには
「覆すなよ!」
とは思いました。
そんな簡単に翻すほど軽い気持ちで
ヴァイオレットを傷つけてでも「会わない」と言ったの?
とは思いました。
{/netabare}